2006 Fiscal Year Annual Research Report
イギリス初期近代における宗教と演劇文化の歴史的研究
Project/Area Number |
18320048
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
清水 徹郎 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (60235653)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 和彦 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (40174255)
小野 功生 フェリス女子大学, 文学部, 教授 (80194588)
篠崎 実 千葉大学, 文学部, 助教授 (40170881)
山田 雄三 大阪大学, 言語分化研究科, 助教授 (10273715)
竹村 はるみ 姫路獨協大学, 外国語学部, 助教授 (70299121)
|
Keywords | 演劇 / 初期近代 / 詩 / エリザベス政権 / プロテスタンティズム / 殉教 / 女王表象 |
Research Abstract |
本研究計画実施初年度の平成18年度は、研究代表者・分担者それぞれの分担テーマごとに研究を開始した。また市川真理子東北大学教授、三盃隆一金沢大学教授、玉泉八州男東京工業大学名誉教授、野崎睦美東京工業大学名誉教授、青木信義山梨大学名誉教授の5氏を研究協力者とし、専門的知識の提供、講演等を依頼し協力を得た。 本研究計画による会合を計4回開催し、研究分担者・研究協力者による以下の研究発表・講演・ディスカッション・文献の輪読等を行った。 「勧告論争を読む」(小野、6月)、「ロマンス的聖人表象とトマス・ディローニー」(竹村、6月)、「『ダイドー』説話群、殉死、エリザベス朝カルトー女王カルトと演劇」(山田、9月)、「シェイクスピア劇における舞台上と舞台裏」(市川、11月)、「エリザベス朝悲劇の創造について-C・L・バーバーの悲劇論を中心に」(三盃、11月)、「シェイクスピアの‘Catechism'」(村井、1月)。文献討論会で扱った主たるテキスト:George Chapman, Bussy d' Ambois(1607)。 調査研究は研究代表者および各研究分担者がそれぞれ独自に進めたが、海外への調査としては、竹村はるみと由井哲哉の2名を8月に英国(オックスフォード、ケンブリッジ、他)に派遣し、16・17世紀の希覯文献を中心に資料調査を行った。 主たる学会発表としては、第46回シェイクスピア学会(東北学院大学、10月)で研究分担者の篠崎実がコーディネーターとなってセミナー「エリザベス1世の表象」を開催し、竹村はるみと研究代表者の清水がメンバーとして参加して研究報告と討論を行った。篠崎は『シンシアの饗宴』と『ヴィーナスとアドーニス』について、竹村はスペンサー、リチャード・ジョンソンらにおける「妖精女王」の表象について、清水は女王表象の恣意化と純粋詩的ポエティックスの発展についての研究報告を行った。 以上の他にも、殉教史、宗教論争、出版、検閲、文学の世俗化、エリザベス政権末期の政治的・社会的混乱、宗教的イメージの演劇的応用、などの観点から分担して、本研究計画のテーマに沿った研究を進めている。
|
Research Products
(4 results)