2007 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀「官話」の諸相-「周縁(ヨーロッパ・朝鮮・琉球・日本)」からのアプローチ
Project/Area Number |
18320071
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
内田 慶市 Kansai University, 文学部, 教授 (60115293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木津 祐子 京都大学, 文学研究科, 准教授 (90242990)
奥村 佳代子 関西大学, 文学部, 准教授 (10368194)
玄 幸子 関西大学, 外国語教育研究機構, 教授 (00282963)
小野 文 関西大学, 付置研究所, 研究員 (00418948)
沈 国威 関西大学, 外国語教育研究機構, 教授 (50258125)
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Keywords | 19世紀 / 官話 / ヨーロッパ / 周縁 / 近代文献データーベース / 琉球 / 唐話 / 訳語 |
Research Abstract |
今年度も、昨年度に引き続き、「官話」の諸相に関して、それそれの分野から、資料收集並びに研究を進行した。内田は欧米人の中国語研究、特に語法論の分野について、たとえばCrawfordの「文学書官話」の先駆性と語法史研究上の位置づけを明確にし、また彼が依拠した印欧語文法についても言及した。木津は琉球官話の諸問題のうち、官話課本と「聖諭」との関わりや、「白姓」官話の成立についての新しい知見を公表した。奥村は唐話資料の中の、「長短話」や「訳家必備」との関係についてこれまでの研究を更に推し進め琉球官話の性格を明確とした。小野ほヨーロツパ人の言語研究における「書記法」に関しての成果を発表するとともに、ソシュ-ル言語学についても新しい見解を発表した。今年度新たに加わった沈は、厳復の訳語や蘭学の訳語などについて積極的に論考を公開し続けた。これらの成果は学界においでも、大きな注目を受けており、今後の研究に寄与するところ大なるものがあると自負しておる。 このほか、昨年度に引き続き、「近代漢語文献資料データベース」を充実させ、これまでに30種類以上の文献を入力・電子化し、さらに、それらを現物の写真とともに、テキスト検索も可能にしてWEB上にて公開中である。このデータベースについての具体的な内容と操作方法等については「東方」雑誌上に公開したが、関係者から大きな反響を得ており、おそらく世界で初めてのこのデータべースは今後も拡大充実ざせていくつもりであり、この分野の研究者に便に供するものとして期待されている。
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Research Products
(6 results)