2008 Fiscal Year Self-evaluation Report
Correlations between Japanese Dialects and the Japanese Language Remaining in East Asia
Project/Area Number |
18320072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Japanese linguistics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
SANADA Shinji Osaka University, 大学院・文学研究科, 教授 (00099912)
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Project Period (FY) |
2006 – 2009
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Keywords | 言語学 / 日本語学 / 残留日本語 / 方言分析 / 言語接触 |
Research Abstract |
アジア太平洋地域には、戦前・戦中に日本語を習得し、現在もその日本語能力を維持・運用する人々が多数存在する。本研究では、これらの地域において日本語を第二言語として習得した人々を対象にしたコ-パス(談話資料)を作成し、それを分析しつつ、主として、次の点を明らかにすることである。 (1) 日本語習得環境 : 植民地、支配地で行われた戦前・戦中の日本語教育はどのようなものだったのか。また、日本語習得環境として学校以外にどのような場所があったのか。それらの場所での日本語との接触状況はどのようなものだったのか。 (2) 日本語の社会的役割 : 地域の言語生活において、当時の日本語が果たした社会的な役割はどのようなものだったのか。また、その後あるいは現在、日本語が果たしてきた/果たしている社会的な役割はどのようなものなのか。 (3) 日本語の維持状況 : 日本が撤退して数十年が経過したが、現在これらの地域に居住するかつての日本語学習者はどのような種類の日本語を維持しているのか。 いずれも、言語の習得・維持・後退にかかわる研究に幅広く貢献するはずの課題群である。特に半世紀以上にわたる第二言語の維持といった事象を取り上げて研究対象としたものは世界的にもほとんど例を見ない。なお、各地の話者たちは現在その多くが75歳以上の高齢に達しており、その日本語運用デ-タの収集はまさに緊急を要するのである。
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