2006 Fiscal Year Annual Research Report
中英語後期から近代英語にかけての言語的性質の変容に関する研究
Project/Area Number |
18320076
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
家入 葉子 京都大学, 文学研究科, 助教授 (20264830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大門 正幸 中部大学, 人文学部, 教授 (70213642)
谷 明信 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 助教授 (90236670)
尾崎 久男 大阪大学, 言語文化研究科, 助教授 (60268381)
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Keywords | 語順 / 中英語 / 初期近代英語 / 不定詞 / 語彙研究 |
Research Abstract |
本研究では、言語変化が集中的に起こる中英語後期から近代英語期に焦点をあて、英語の発達の歴史を明らかにすることを目的としている。調査には、さまざまな英語文献を利用する予定であるが、中でも本研究の遂行に有用と考えられるInnsbruck Corpus of Middle English Proseの本格的な使用を目指している。研究計画の初年度にあたる平成18年度は、当該コーパスの配布元であるインスブルック大学との交渉(研究代表者の家入が2006年10月にインスブルック大学を訪問)など、その準備にも時間を割いた。 すでに明らかになってきた研究成果については、家入が、否定構文の発達についての分析を進める中で、中英語後期から初期近代英語期にかけての多重否定の衰退が急速に加速するメカニズムを検証した。また、研究の対象を近代英語後期にまで拡大しながら、多重否定の衰退と関連するとも考えられるneither...norおよびその異形であるneither...orの生起状況を明らかにしている。研究分担者も同様に、それぞれの得意分野において、研究に着手した。大門は中英語後期の語順と方言との関係についての手がかりをつかみ、19年度以降のInnsbruck Corpus of Middle English Proseを利用した本格的な分析への準備を進めた。谷は、中英語から初期近代英語期にかけての散文における語彙と文体との関係を明らかにするための手がかりとして、中英語後期の散文の調査の一部を終えている。また尾崎は、中英語後期から初期近代英語期における動作名詞の発達を明らかにするための手がかりとして、中英語後期の印刷本、特にキャクストンの翻訳における英語の特徴を明らかにした。
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Research Products
(5 results)