2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会的・文化的要素を意識した多元・多層日本語学習支援システムの研究
Project/Area Number |
18320079
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
才田 いずみ Tohoku University, 大学院・文学研究科, 教授 (20186919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 寧 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学センター, 准教授 (90293406)
名嶋 義直 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (60359552)
高橋 亜紀子 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (10333767)
小河原 義朗 北海道大学, 留学生センター, 准教授 (70302065)
加藤 由香里 東京農工大学, 大学教育センター, 准教授 (90376848)
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Keywords | 日本語教育 / 遠隔日本語学習 / 教材 / 教育工学 / 社会文化的情報 / 語用論的知識 / 談話構成力 / 特定目的の日本語教育 |
Research Abstract |
19年度の当初計画では次の2項が中心課題であったが,第1の昨年度に作成した「SEのためのコースウェア」の「確認する」についての評価は,ビデオクリップの一部に不具合が生じて解決に手間取ったため,やむを得ず延期し,「クレームとその処理」に関する課の開発に集中した。第2の日本語の「元学習者」に対する職場等での日本語の必要性調査の実施については,海外技術者研修協会が詳しい調査結果をリリースしたので,調査を取りやめた。そして,その調査結果から,職場で必要な日本語は,敬語や待遇表現を中心とした日本人社員研修などで主要トピックとされるものと大差ないことが判明したので,その線に沿った教材として,電話会話を扱うコースウェアを作成した。その他は,ほぼ交付申請時の計画通りに実施した。具体的には以下の通り。 1.これまでの知見について,7月にオーストラリア日本研究学会で,8月にハワイ大学で開催されたCASTEL-J2007国際会議で,9月に日本教育工学会第23回大会で,それぞれ研究発表を行った。 2.SEを対象としたコースウェアに,クレーム対応をテーマとした課を加えた。 3.職場で必要とされる日本語を念頭に,電話会話を扱った練習を作成した。読みの力と談話構成力を意識して,会話の部分を読んで適切な順番に並べ替える「電話会話組み立て練習」とした。このコースウェアについては,「会話組み立て練習」作成用プログラムを作り,練習作成用の枠組みが他の会話場面にも応用できるように設計した。内容や難易度は自由に決定できるので,「もう少し日本語力の低い学習者に対応した教材を」という海外から要望にも応え得るものとなった。 4.映画・ドラマ・漫画などの分析から,学習者が自力では入手しにくいけれども日本語使用には不可欠な語用論的知識および社会文化的情報を洗い出す作業も,継続して実施した。
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Research Products
(5 results)