2008 Fiscal Year Annual Research Report
多文化共生社会における幼児から大学生までのコミュニケーション能力育成モデルの開発
Project/Area Number |
18320080
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
佐々木 泰子 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (20251689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 伸子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (70017630)
岡崎 眸 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (80223999)
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Keywords | 多文化共生社会 / 相互行為能力 / 発達過程 / コミュニケーション能力育成モデル |
Research Abstract |
グローバル化の進む現代社会において、学校教育の現場ではコミュニケーション能力の育成は喫緊の課題となっている。本研究は、幼児から大学生及び留学生までのコミュニケーション能力を育成することを目的に行ったものである。本年度は、これまで収集したデータを検討し、これらのデータに基づきデータベースを構築、完成し、前年度に続いて、データの分析結果を雑誌論文、学会発表、講演等で公表してきた。 本研究の柱は、大きく二つに分けられる。まず第一の柱は、小学生から大学生までの話し合いにおけるコミュニケーション能力の発達過程に関する縦断的研究である。本年度は、前年度に続き、話し合い活動におけるコミュニケーション能力を、話し合いにおける手続き的なやり取りや、質問発話のデザインの仕方、聞き手の発話、談話標識の使用、言いさし表現、終助詞の使用など様々な切り口から分析を行い、明らかにしてきた。 もう一つの柱は、留学生と日本人(大学生及び社会人)のコミュニケーションの実態を明らかにしたことである。日本語学習者(留学生)と日本語母語話者(日本人)の2者間の初対面会話や友人間の会話、グループ討論など様々なコミュニケーションの場面をデータとして分析を行った。本年度の研究成果として、日本語母語話者の破格文の役割、フォリナートークの特徴、日本語学習者と日本語母語話者の体験談の終結部の特徴、学習者の発話の文末特徴、学習者と日本語母語話者の討論の参加の仕方及び役割の相違などの研究が挙げられる。さらに、本年度は、これまでの研究成果をまとめ、報告書を発行し、報告書は研究者のHPから参照できるようにした。 本研究は、これまで接点がほとんどなかった幼児から大学生さらに社会人までの国語教育に携わる教育・研究者と大学や地域社会の日本語教育に携わる教育・研究者の研究成果を一冊にまとめたことに大きな意義と特色がある。
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