2007 Fiscal Year Annual Research Report
第二次大戦期日本語教育振興会の活動に関する再評価についての基礎的研究
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18320085
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Research Institution | The Institute for Research in Linguistic Culture |
Principal Investigator |
長谷川 恒雄 The Institute for Research in Linguistic Culture, 研究一部, 研究員 (10051567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河路 由佳 東京外国語大学, 外国語学部, 准教授 (00272641)
中村 重穂 北海道大学, 留学生センター, 准教授 (70207877)
前田 均 天理大学, 国際文化学部, 准教授 (70165653)
松永 典子 九州大学, 比較社会文化研究科, 准教授 (80331114)
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Keywords | 日本語教育史 / 日本語教育振興会 / 語政策史 / 日本語教員養成 / 日本語教員海外派遣 |
Research Abstract |
1.本年度長谷川は、第2次大戦期の「日本語教育振興会」の活動、同会と文部省・興亜院・外務省等の相互関係性を明らかにするため、「日本語教育振興会理事会議事録」(1941.8.25〜1945.6.29)のデータ・ベース化を行った。この結果、同会の活動は、役所間の連絡役のみならず、具体的な教育に対する関心もあわせもっていることも判明した(『タイ国留学生に対する日本語教授法(1942)』)。また、第二次大戦直後1946に早くも日本語教育活動を再開させていることも判明した(『成人向英語国民成人向日本語副教材(1946)』『日本語教授の各段階における教材及び教法大要(1946)』)。第二次戦争直後は社会状況の不安定あるいは敗戦という社会戦乱の中で「日本語教育の活動は一時期中断する」と一般的には考えられてきたが、敗戦というショックにもめげず1946には「教材・教授法」の開発が再開されている事実が判明した。新たな史実の発掘であったと自己評価をする。 2.研究分担者松永は『「総力戦」下の人材養成と日本語教育』(花書院)を著し、第二次大戦期の人材育成のキーワードである「錬成」の究明に邁進し、河路・前田は第二次大戦期の日本語教育活動について精力的に論文を執筆、前田・中村はそれぞれ学会発表を行い、この時期における日本語教育活動の多様性かつ積極性について報告をしている。
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Research Products
(13 results)