2007 Fiscal Year Annual Research Report
中央ユーラシアにおけるイスラームの展開-初期の伝播から現在の「再生」まで-
Project/Area Number |
18320116
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
濱田 正美 Kyoto University, 文学研究科, 教授 (30109061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 一之 京都大学, 文学研究科, 准教授 (70221934)
稲葉 穣 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (60201935)
東長 靖 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (70217462)
小野 浩 京都橘大学, 文学部, 教授 (40204250)
矢島 洋一 京都外国語大学, 国際言語平和研究所, 研究員 (60410990)
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Keywords | 中央ユーラシア / イスラーム / スーフィズム / 聖者崇拝 / 歴史地理 / モンゴル / ペルシア語 |
Research Abstract |
研究代表者・濱田は、初期の伝播から現代に至る中央ユーラシアにおけるイスラームに関する全般的な研究を継続し、その通時的な展開の大筋を『中央アジアのイスラーム』に纏め刊行した。「イスラーム信仰の定式化」「中央ユーラシアへのイスラームの伝播」「スーフィズム、モンゴルの侵入とその後」の章からなるこの単著は、短編ながら本研究全体の中間報告と言うべきもので、年来蓄積した知見を一般に紹介したものであるが、専門家に対しても様々な新たな情報を提供し、問題提起をしている。次年度以降の研究は、これを叩き台にしてここで示された諸問題を更に深く検証する方向で展開される。濱田は、またタシュケントのInstitut Francais sur I'Etude de I'Asie Centrale主催の国際学会に招聰され、聖者廟への参詣に関する発表を行った。研究分担者・稲葉は、アフガニスタンの歴史地理について、歴史文献と最新の現地調査に基づく業績を発表した。同じく研究分担者・東長は、基本的なスーフィズム文献の翻訳をシリーズとして紹介する計画を立て、その第一部を公刊した。研究分担者・矢島は、磯貝健一との共著論文において、カラコルムに現存するペルシア語碑文についての精緻な研究を行い、モンゴル時代のイスラームについて新たな事実を明らかにした。研究分担者・小野は、ペルシア語文献に見える、今日まで意味不明とされていたモンゴル語起源の難解語の解明に成功した。
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Research Products
(7 results)