2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18320123
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
栗原 麻子 大阪大学, 文学研究科, 助教授 (00289125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑山 由文 京都女子大学, 文学部, 助教授 (60343266)
井上 文則 筑波大学, 人文社会科学研究科, 講師 (20400608)
小林 功 富山大学, 人文学部, 助教授 (40313580)
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Keywords | 儀礼 / 宗教 / 共同体 / ギリシア / ローマ / ビザンツ |
Research Abstract |
本年は、研究計画のための初回会合(第1回・5月)を含む5回の研究会において、「儀礼」を歴史の問題として扱う際の問題点の把握に勤めた。『幻影のローマ』所収の小林論文についての合評会(第2回・7月、評者:栗原)、研究協力者中尾恭三による、ヘレニズム期デロス島におけるサラピス祭儀についての研究発表(第3回・9月)、帝政期ギリシアについての桑山発表(第5回・1月)、R.Parker, Polytheism and Athenian Society(Oxford, 2005)についての合評会(第5回・1月、評者:研究協力者・山内暁子)のほか、研究会の一環としてBarbara Levick博士をゲスト・スピーカーとして招いて、講演会(プリュギアの祭儀について、第4回・11月)を開催した。なお、R.Parkerの著書と、B.Levick博士の講演原稿については、科研の成果の一部として、それぞれ訳出作業を進めている。また、ギリシア史の領域においては栗原が、研究協力者である前出の山内・中尾に平山晃司をくわえた3人の研究協力者との連携のもと、魔術・巡礼・聖人・儀礼・祭祀にかかわる基本的な研究文献と一次史料の収集にあたった。また栗原は年度末にイギリスでParker教授と面談のうえ、響宴と葬送儀礼を中心に関連文献の収集にあたる予定である。井上は、3世紀の太陽神崇拝の歴史的背景を理解する上で必要な、軍人皇帝時代のローマ帝国史に関わる文献を収集し、これらの文献をもとに、次年度のより具体的かつ専門的な研究に向けて基礎的研究を行った。小林は、儀礼に関わる必須史料である法律書を重点的に購入するとともに、皇帝の巡行及びそれに伴う儀礼的側面について、9〜10月にトルコ共和国で遺稿や地形の調査を行なった。特に重点的に調査を行ったのは古代〜中世にはビテュニアと呼ばれた小アジア北西部である。桑山は、元首政期ローマ帝国の儀礼研究の基礎資料となる、小アジアの諸都市の碑文集や文献史料の校訂本を中心に、基本的な研究環境の整備に努めた。
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