2009 Fiscal Year Annual Research Report
鏡笵の調査による東アジアの銅鏡製作技術と流通に関する研究
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18320133
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
清水 康二 Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture, 埋蔵文化財部, 主任研究員 (90250381)
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Keywords | 鏡笵 / 斉国故城 / 臨〓 / 草葉文鏡笵 / 高錫青銅 / 銅鏡 / 製作技術 |
Research Abstract |
昨年度までに単行本出版としての成果報告は終了したため、今年度は雑志等での学術論文発表と口頭発表を中心におこなった。その他、青銅鏡と共通する高錫青銅器製作技術との比較のため、インドにて青銅器製作工房と青銅器の調査をおとない、アジアで独特の発展を遂げた高錫青銅器製作技術の中で、東アジアの銅鏡製作技術をどのように位置づけるべきであるか大まかな見通しをつけた。 その他の資料調査としては、銅鏡と同じく錫比率22%前後である銅鋺を対象に銅鏡製作技術との比較を行った。群馬県出土の銅鋺を中心に、成分分析と製作技術痕跡の比較をおこなった。これによれば、銅鏡と銅鋺は同じく高錫青銅器でありながら、後者には鉛を含まない例が圧倒的に多く、製作技術の伝統としては大きく異なることが推測できた。 9月に中国紹興で行われた国際シンポジウムにおいては、共同研究の海外研究協力者である韓偉東が、最近の臨〓出土鏡笵の概要を発表した。これによれば、さらに草葉文鏡笵、〓龍文鏡笵以外にも数型式の鏡笵が発見されていることが明らかになった。この他には研究協力者の田賀井篤平を中心に笵の黒色化からみた鏡の製作技術に関する分析をおこなった。 加えて群馬県綿貫観音山古墳出土鏡の蛍光X線分析を行い、踏み返し鏡においても合金比は高錫青銅であることを明らかにした。 今後は今回の共同研究で明らかになった青銅鏡製作技術の一端をもとに、アジア各地で見られる高錫青銅器製作技術との具体的な比較をおこない、技術伝統の起源と伝播系譜を明らかにする必要があると考える。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 鏡の階層性2009
Author(s)
清水康二
Organizer
神の鏡 -銅鏡 福泉博物館特別展記念学術会議
Place of Presentation
韓国釜山市立福泉博物館
Year and Date
2009-10-31
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[Presentation] 鏡と六博2009
Author(s)
清水康二
Organizer
中国紹興・銅鏡與古代文明国際学術論壇
Place of Presentation
金昌開元大酒店
Year and Date
2009-09-06