2007 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化時代における公共空間と場所アイデンティティの再編成に関する研究
Project/Area Number |
18320136
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 彰彦 Kyushu University, 大学院・人文科学研究院, 教授 (90197054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 正彦 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20094493)
源 昌久 淑徳大学, 社会学部, 教授 (80104826)
山本 健児 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (50136355)
熊谷 圭知 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (80153344)
水内 俊雄 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60181880)
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Keywords | 公共空間 / 場所アイデンティティ / 地理思想史 / 社会理論 / 地理的知 / 地政学 |
Research Abstract |
1.社会地理思想史研究班は、主に以下の三点について研究を行った。 (1)知の空間論の視点からの20世紀初の日本の地理思想の特質や場所アイデンティティの関する考察。 (2)英国における軍事的知識と地理的知識の関係の分析。 (3)1930年代後半の地理学者の地政学的言説が社会に与えた意味についての考察。 以上の研究から、地理的知識の形成とそれが生まれる場所・空間との関係性について新たな知見が得られた。 2.先端理論研究班は、社会・政治地理学の近年の理論研究の動向について検討を行った。特にサックの「領域性」、スミスらの「空間スケール」、アガンベンの「例外状態」、モハンティらの「ジェンダーと場所」、カストリの「自然と社会」をめぐる諸理論が議論され、現在の公共空間の変容を分析する上でこれらの概念のもつ可能性と限界が明らかとなった。これらの知見は、概念と経験的研究の関係を再検討する上で意義を持つものである。 3.場所アイデンティティ研究班は、「郷土」概念に関する理論的諸問題の整理とツーリズムの視線が生み出す他者や場所の表象に関する経験的研究を行った。前者では郷土をめぐるさまざまな実践が帝国主義化やグローバル化による世界の再編成と密接に関連していること、後者ではツーリズムの生み出す表象にとどまらず、その物質的基盤の果した役割、がそれぞれ明らかとなった 4.公共空間研究班は、主に以下の三点について研究を行った。 (1)ドイツにおける中規模都市のインナーエリアの再開発の状況について、計画の策定過程やNGO団体の果した役割の検討。 (2)沖縄におけるアメリカ軍による空間管理政策の変遷の分析。 (3)行政機構の再編に伴う、女性を主体としたNGO団体と行政との関係の変化の分析。 5.全体の研究集会において、それぞれの研究班の成果について意見交換を行い、その視点の共有と深化をはかった。 6.これらの研究成果の一部は、第5回批判地理学者会議(インド)や『空間・社会・地理思想』11号で発表された。
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Research Products
(22 results)