2007 Fiscal Year Annual Research Report
水界と森界の変容と創造に関する比較環境人類学的研究
Project/Area Number |
18320140
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 素二 Kyoto University, 文学研究科, 教授 (50173852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥越 皓之 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80097873)
古川 彰 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90199422)
中村 律子 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (00172461)
川田 牧人 中京大学, 社会学部, 教授 (30260110)
伊地知 紀子 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (40332829)
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Keywords | ローカルな知識 / 生活実践 / 環境思想 / 水界 / 森界 / 環境保全 / 開発 / 地域住民組織 |
Research Abstract |
本年度は日本にやや重点を移して調査をすすめた。松田は昨年同様、西ケニア・マラゴリ地方を中心に参加型森林開発における森の民と政府・NGOとの葛藤について調査を継続した。また三重県熊野地方の山村においても、同様に高齢化で管理不全となった森林保全のための実践について調査を行った。鳥越は、中国および日本で水環境管理と住民組織の関係に焦点をあてて調査を継続した。中国では昨年の調査を継続して都市住民の環境管理における規範と実態の聞き取り、資料収集をおこなった。また日本においては霞ケ浦を対象にして同様の調査を実施した。古川は、カトマンズおよびパタン周辺市域における伝統的用排水システム施設についての聞き取りと、水環境調査を継続した。日本においては、愛知県矢作川流域、熊野川流域における環境利用の変遷を政策とのかかわりの調査を継続しておこなった。川田は、愛知県矢作川流域と滋賀県長浜市琵琶湖岸の周辺において、地域の人々の祖霊観と廃棄物との関係に着目して、聞き取り調査をおこなった。観光と環境という視点で地域おこしの問題点を継続調査した。伊地知は、昨年同様、韓国・済州島において大規模開発によって破壊されつつある森林部に注目し、山村共同体の反応についての集落調査を実施した。また日本においても同様に、伊勢志摩地方に、済州島から出稼ぎにくる韓国人海女を対象にして、漁法や資源管理についての比較研究を行った。中村は、カトマンズ周辺および三重県熊野地方の山村小集落を対象にして、高齢生活者の日常生活実践と環境保全の関わりに焦点をあてながらインテンシィブな聞き取り調査を継続した。2年間の調査研究からすでにいくつかの論文や書籍が出ているが、それらを総合し新たな知見を得るために、可能な限り数人が同じ調査地で調査を実施するとともに、全員もしくは関係者での研究会をしばしば実施した。
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Research Products
(9 results)