2008 Fiscal Year Annual Research Report
水界と森界の変容と創造に関する比較環境人類学的研究
Project/Area Number |
18320140
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 素二 Kyoto University, 文学研究科, 教授 (50173852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 彰 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90199422)
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Keywords | ローカルな知識 / 生活実践 / 環境思想 / 水界 / 森界 |
Research Abstract |
最終年度は、各研究者が国内外の短期間の補充調査を行い理論仮説(陸海、水界、森界を問わず、コミュニティ保全と環境保全とは相即している)を検証しつつ、その問題点を解決しながら最終的な理論構築をはかった。民俗学や社会学、社会福祉学、地理学、生態学など人類学以外の分野からの環境研究者との交流を積極的に押し進め、彼らとの間で本研究が提案する理論の問題点をさらに検討し、最終成果を取りまとめた。さらに本研究が重視した、こうした研究成果を地元に実践的に還元する回路として地元共同体と意見交流の場を設定し、これまでの調査で得た知見と地域改善のための提言を準備をした。 具体的には、【松田】は、マラゴリ・フォレスト周辺の村落における現地調査を行い、現地のチーフ、アシスタントチーフおよび政府の森林管理官と共同で環境フォーラムを組織し、住民自身の批判と意見を聞いた。同様の試みを、熊野市役所の協力をえて現地で開催した。【鳥越】は、中国および日本で水環境管理と住民組織の関係に焦点をあてて調査を続けた。【古川】はカトマンズおよびその周辺市域における水環境調査を継続。日本においては、愛知県矢作川流域、熊野川流域における環境利用の変遷を政策とのかかわりについて補足調査をおこなった。【川田】は、フィリピン・マニラ都市圏の祖霊観と廃棄物との関係についての補充調査をおこなった。【伊地知】は、昨年に引き続いて、韓国・済州島において大規模開発によって破壊されつつある森林部に注目し、山村共同体の反応について補充調査を実施した。【中村】はカトマンズ周辺および三重県熊野地方の山村小集落を対象にして、社会福祉と環境保全の関わりについてあらたな仮説構築に向けて補充調査を実施した。
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Research Products
(10 results)