2007 Fiscal Year Annual Research Report
文化伝達の逆流現象と「エイジング」の変容に関する人類学的研究
Project/Area Number |
18320143
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
野村 雅一 Kyoto University of Foreign Studies, 外国語学部, 教授 (60142014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 昭夫 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (00128779)
藤本 憲一 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (00248121)
甲斐 健人 奈良女子大学, 文学部, 准教授 (50272183)
樫永 真佐夫 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助教 (10342643)
玉置 育子 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 講師 (80369850)
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Keywords | エイジング / 世代間関係 / 通過儀礼 / 文化伝達 / ジェンダー / 国際研究者交流 / ノルウェー:ニュージーランド:ベトナム:ドイツ |
Research Abstract |
平成19年度(〜平成20年3月31日) 平成19年度におこなった本研究は、1.昨年度から繰り越して実施した公開国際シンポジウムと、2.国内外の現地調査との二部に分けられる。 まず公開国際シンポジウムは、「認知症と文化」と題して、平成19年8月25日に大阪国際会議場で開催した。今日のエイジングを特徴づける「病い」のひとつとなっている認知症の研究は、もっぱら医療の分野でおこなわれているが、今回は近代の病いともいわれる認知症がどのような社会・文化的な文脈で起こり、扱われてきたのか、そのケアはどうあるべきなのかを、ノルウェーやニュージーランドなど国内外から9名の研究者を招集して、公開のシンポジウムを実施した。 次に国内外の調査については、樫永真佐夫と野村雅一がべトナムで老いが敬われる実状を調査し、それが必ずしも儒教の影響によるものではないことを確認できた。玉置育子は日本と類似した社会状況にある韓国の子どもの化粧について予備調査をおこなった。また、研究協力者の山田香織は、ドイツのミュンヘン近郊でローカル・アソシエーションが運営する老人介護施設を訪問するなどして、現状ドイツのエイジングの変容を調査した。 国内では、甲斐健人は昨年度から福島県でおこなっている学校を介した児童生徒と地域住民の世代間交流の継続調査をおこなった。藤本憲一はメディアを通じた若者の情報伝達を調査した。また、野村雅一らは東京と大阪の街頭でシニアファッションの観察と聞き取りをおこない、大阪市内で関連の公開研究会を実施した。なお、本研究の経過はウェブサイト(http://www.prj-ageing.jp/)上で公開している。
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Research Products
(21 results)