Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大屋 雄裕 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 准教授 (00292813)
瀧川 裕英 大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 准教授 (50251434)
橋本 努 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (40281779)
谷口 功一 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (00404947)
安藤 馨 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教 (20431885)
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Research Abstract |
本年度の研究に於いては,引続き立法原論ないしその政治哲学的基礎付けの探求と各法分野ないし具体的な立法分野に関する立法政策論上の理論的問題点について検討した。特に前者に関しては複数回にわたり東京法哲学研究会との合同研究会を開催し,特にその哲学的問題を明かにするととに努めた。前者として具体的には,その古典的な範型としてのジェレミー,ベンタムの立法哲学の概括的検討が行われ,またこれを再構成するものして安藤が自著『統治と功利』に拠りつつ立法理原論としての立場から報告を行い,その現代的観点からの得失が明らかにされた。また,橋本が自著『帝国の条件』に依拠してグローバル化が進行してゆく中での覇権国による秩序維持上の政治哲学的原理を論争的に提出し,盛んに議論が行われた。まだ,研究代表者である井上が自著『自由論』に基づいて,更に多元的政治状況に於ける自由の自由の位置づけと,そこで正義論が果たしてゆくべき役割について報告し,議論が行われた。後者としそ,生命倫理関連立法に加え,昨年度以来課題とし学術会議との立法学合同がシンポジウムなどの形で遂行してきた実定法諸分野との協同の遂行の一環として,刑事法分野に於いて,亀井源太郎首都大学東京准教授を講師として招き,戦前からの長きに渡る沈黙と明瞭に対比される昨今の奔流の如き刑事立法の動向の原理論的問題について検討した。重罰化傾向にある立法事例,特に危険運転致死傷罪と,その立法的瑕疵をいわば弥縫するともいえる形で成立した自動車運転過失致死傷罪を検討することで立法技術論に及ぶ考察を行つた。また,井上は今年度の研究成果を踏まえつつ,ジュリストに立法学に関する論考を研究代表として執筆し(掲載予定),国際憲法学会及び国際社会法哲学大会で関連報告を行い,立法理学運動の主要提唱者であるヴィントゲンス編の共著に寄稿を行った。
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