2006 Fiscal Year Annual Research Report
ウエストミンスター・モデルの再検証と立憲主義憲法論の可能性についての総合的研究
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18330008
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
松井 幸夫 関西学院大学, 司法研究科, 教授 (30135892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉持 孝司 甲南大学, 法学研究科, 教授 (00153370)
元山 健 龍谷大学, 法学部, 教授 (80116285)
愛敬 浩二 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (10293490)
江島 晶子 明治大学, 法務研究科, 教授 (40248985)
柳井 健一 関西学院大学, 法学部, 助教授 (30304471)
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Keywords | ウエストミンスター・モデル / 立憲主義 / イギリス憲法 / 憲法改革 |
Research Abstract |
2006(H18)年5月の学会に合わせて開催したイギリス憲法研究会(福岡)の場で、本科研による共同研究の目的及び各研究分担者の役割分担を再確認するとともに、それぞれの担当分野の現段階を確認した。さらに夏期の合宿研究会の開催を決め、それまでに進めるべき課題について議論をし、認識を深めることによって本年度の研究が開始された。 8月9〜11日に開催した夏期の合宿研究会(岡山県児島市)では、研究組織13名中8名が参加し、研究代表者及び倉持孝司から、本研究課題の中心観念である「ウエストミンスター・モデル」の目本とイギリスにおける理解と議論の現段階についての総論的報告及びそれぞれの分担課題についての報告を行うとともに、2名の研究協力者から関連する問題についての報告を得た。これら報告とそれに基づく議論において、本研究課題にかかわるそれぞれの分野における理論を含む諸動向(日本とイギリスの双方を含む)と、今後の研究の課題と方向を一層深めることができた。さらに10月の学会に合わせて開催した研究会(東京明治大学)では、夏期合宿研究会に参加できなかった5名の研究分担者中4名から報告を受け、その分担課題についての検討を行った。 今年度の外国調査については、イギリスと並んでウエストミンスター・モデルの典型とされてきたにもかかわらず、1993年以降小選挙区制からドイツ型比例代表制への選挙制度の改革を中心に、このモデルからの「離脱」傾向の著しいニュージーランドを対象とすることとし、2007(H19)年1月にニュージーランド憲法を研究する研究協力者の協力を得て研究会を開催し(神戸市甲南大学)、3月にこの研究協力者を含めたグループによって同国調査を行った。この調査によって、イギリス憲法をモデルとして形成されたニュージーランド憲法の背後にあるこの国特有の諸問題、小選挙区制を廃止するに至った政治的背景、さらにこの改革後の同国憲法運用に現れた特徴(とくに首相のリーダーシップの一層の強化)など、ウエストミンスター・モデルを「再検討」するという次年度以降の研究の展開に役立つ貴重な素材や理論的示唆を得ることができた。
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Research Products
(16 results)