2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18330022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 武士 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 教授 (60009818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 文明 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 教授 (00126046)
細野 豊樹 共立女子大学, 国際文化学部, 助教授 (10272478)
待鳥 聡史 京都大学, 大学院法学研究科, 助教授 (40283709)
西山 隆行 甲南大学, 法学部, 助教授 (30388756)
中山 俊宏 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (60439560)
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Keywords | イデオロギー / 民主党 / 共和党 / リベラリズム / 保守主義 / G.W.ブッシュ / 外交政策 / 財政政策 |
Research Abstract |
本研究課題の初年度にあたる本年度は、研究分担者が各自担当するサブ・テーマに即した分析を進める以外に、複数名の分担者が研究報告を行う、ほぼ隔月の研究会を中心にして研究を進めた。その結果、とくに以下大きく3つの点で成果を得た。第一は、イデオロギーという、実証分析に用いるには注意を要する概念を鍵に政治を分析するためのアプローチについて、既存のものを整理し分担者の間で理解を共有できたことである。第二は、本研究課題の主たる対象である現ブッシュ政権における政治を、1970年代以降の現代アメリカ政治の流れにどう位置づけるのかに関する議論を行い、財政政策と対外政策という、今日イデオロギーの影響が強いとみられる政策領域について議論を深めることができた。それによって、1980年代以降進行してきたとされる保守化の流れからみても、現ブッシュ政権が異質な面を持っていることが明らかになった。そして第三に、連邦議会の上下両院の多数派を奪還する等、民主党が大きく躍進した2006年の中間選挙についてその経過を分析し、選挙を担当する分担者を中心に予備的な考察をまとめた。またこの選挙直後から、通常よりも早いペースで2008年大統領選挙に向けた候補者の鞘当てが始まっており、こちらについても観察を始めている。これらは、いずれも本研究課題の目的を達成するうえで不可欠な、基礎的作業であり、初年度として順調に研究を進められたと考えている。早くも、イデオロギー闘争における、政治の基盤構造(infrastructure)がもつ重要性に関する試論などを成果として得ることができた。
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Research Products
(11 results)