2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18330025
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
伊藤 光利 Kobe University, 法学研究科, 教授 (00128646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲継 裕昭 早稲田大学, 公共経営研究科, 教授 (90289108)
鹿毛 利枝子 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (10362807)
北村 亘 大阪市立大学, 法学研究科, 准教授 (40299061)
北山 俊哉 関西学院大学, 法学部, 教授 (90214824)
広本 政幸 広島修道大学, 法学部, 准教授 (90320019)
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Keywords | 政治学 / 行政学 / 中央-地方関係 / 地方分権 |
Research Abstract |
本研究は、グローバリゼーションやバブル経済崩壊などの環境変化がもたらした、わが国政治経済システムの変革の中で、中央一地方関係がどのような変容を示しているかを明らかにするものである。本年度は最終年度であったので、これまでの研究蓄積および調査を基に、研究成果をまとめることに主眼を置き、活動を行った。具体的には、3回の研究会を実施したが、毎回、多数の参加者が研究成果を報告し、それに関する議論を集中的に行った。とりわけ、19年度に全国約1800人の全市区町村首長に対し行った調査データ(回答率62.5%)が利用可能となったので、まず、その内容を確認し、その後、量的分析を行う者は適宜自らの感心に従い他のデータを補いつつ、このデータを利用した分析を進め、他方、質的分析に拠る者はこのデータとの整合性を意識しつつ研究を進めた。現在、5月下旬に向けて最終報告書を作成中であるが、知見の一例を挙げるとすると、現在の首長たちは、それぞれに集票戦略や政策形成活動に関し独自のスタイルを持っていることが明らかになった。具体的には、一般利益指向の集票戦略をとる首長はトップダウンによる政策形成を好み、外部アクターに対し自ら働きかけを行い、自らの役割について「政治家」か「行政官」かいずれかの役割を明確にしようとするのに対し、個別利益指向の集票スタイルを持つ首長はボトムアップを好み、対外的には「待ち」の姿勢であり、自らの役割についてバランスをとる傾向がある。また、もはや都道府県や中央省庁等の垂直的影響は小さく、それゆえ首長の政治家としての側面が重要となってきていることを確認できた。以上の点からも、本科研を基礎とし、今後もわが国地方政治の解明が要請されていると考えられる。
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Research Products
(28 results)