2006 Fiscal Year Annual Research Report
エスニック紛争のグローバル化:南アジア系移民の役割
Project/Area Number |
18330031
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
広瀬 崇子 専修大学, 法学部, 教授 (20119431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南埜 猛 兵庫教育大学, 学校教育学研究科, 助教授 (20273815)
伊藤 融 島根大学, 法文学部, 助教授 (50403465)
水島 司 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (70126283)
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Keywords | ディアスポラ / エスニック紛争 / バンジャーブ / カシミール / タミル人 / 移民 / 南アジア / ネットワーク |
Research Abstract |
今年度は、(1)第一段階の現地調査およびウェブ上のデータを通して基礎的な資料収集、(2)GIS手法を用いた南アジア系移民の把握、(3)研究会などを通しての分析枠組みについての共通の理解の促進、(4)文献を通じての先行研究の把握を主に行った。 (1)資料収集に関して、広瀬、伊藤の2名が2006年8月にイギリス(ロンドン、ブラッドフォード)での現地調査を行った。関係者の聞き取り、関係施設(宗教施設、コミュニティ・センターなど)の視察、行政機関でのセンサス・データ収集などである。ウェブ上のデータに関しては、2001年センサスは整備されているが、それ以前に関してはイギリスの行政機関に問い合わせて事情を把握した。また、南アジア系ディアスポラのイギリスでの政治活動に関するデータ収集を行った。 (2)世界に散った南アジア系ディアスポラをカテゴリーに分け、GIS処理を行った。 (3)南アジア系ディアスポラについてはすでに数多くの先行研究があるが、本国のエスニック紛争との関係を直接扱ったものは少ない。むしろ、データ整理、情報入手の面で役立つものが多い。 (4)3つの異なるエスニック集団と紛争の関係を共通の分析枠組みで扱うことは難しいが、移民の時期と経緯、第2、第3世代のアイデンティティの問題、移民先での社会的地位、生活水準、政治活動、そして本国での紛争の展開を比較的視野を考慮した指標の設定を行った。 来年度の課題は、データ面では1991年以前の数字をどのように把握するかである。イギリスでは宗教などに関しては2001年のセンサスではじめて質問されているため、それ以前に関しては先行研究を参考にしながら、作業を進める。そして入手したデータをできる限りGISを使って処理していく。第2に、聞き取り調査など現地調査をさらに積極的に進める。第3に、次年度の執筆に向けて、先行研究の網羅に努め、分析枠組みの整理を行う。
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Research Products
(5 results)