2006 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロ経済分析道具の開発と教育の私的及び社会的効果の測定
Project/Area Number |
18330040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市村 英彦 The University of Tokyo, 大学院・経済学研究科, 教授 (50401196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 康幸 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40322078)
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Keywords | 計量経済 / ノンパラメトリクス / プログラム評価 / 教育の効果 |
Research Abstract |
I.データが不備な場合のモデルパラメターの推定方法についての研究はManskiとTamerの結果との関係を明らかにすることが難しく、Sanchisと考慮中。 II.Semiparametric推定量の漸近分布を求める一般論についての論文は完成し、現在国際雑誌で審査中。 III.教育の私的・社会的効果の測定についてはデータを明治期の人事興信録3年分より得ることとし、データの電子化を行った。来年度も電子化を継続する。 IV.プログラムエバリュエーションのフレームワークを作ることに関しては、荒井氏と共同研究を行い、Imbens-AngristのLATEフレームワークを連続変数がある場合に拡張することに成功した。来年度はこのフレームワークを使い推定量を定義し、その性質を吟味することとする。また、このフレームワークを用いて家族間に、相互扶助的な金銭的やりとりを通じての保険的役割がどの程度あるかを澤田、清水谷両名と実証分析している。 V.モデルパラメターがIdentifyはできないが、ある範囲におさまることはデータから推測される場合の分析手法をBlundell, Gosling, Meghirと共に開発している。 VI.応用研究上利用されることが多くなってきているノンパラメトリック手法、セミパラメトリック手法についての研究をサーベイする仕事を行っている。 VII.センサード・トービットモデルについての推定問題をJoe Altonli、大津泰介両名と行っている。従来は通常の線形回帰モデルを前提として議論されているセンサード・トービットモデルをNon-additive separableな形に拡張した上で、その一般化されたモデルの上でも意味のあるパラメターを推測することができることを示した。このモデルの推定問題を現在考えている。 VIII.生産性測定の問題は本来供給側の極めて技術的な側面を捉えることを目的としているのであるが、現在の測定方法では需要側の要因が大きく影響してしまう。需要側の要因を排除して生産性を測定する方法論の開発を西山、小西両名と行っている。 IX.失業率の変動の背後にはその5倍前後の仕事の創出と喪失があることを明らかにしたのはDavisとHaltiwangerであるが、それがどのような経済行動の帰結であるのか、という点についての研究はまだ進んではいない。ブラジル政府派遣の学生Corseulと共にブラジル人被雇用者のうち、税金を納めている者全員のデータを用いて、その背後にある、経済行動を分析している。 X.所得で計測した不平等は米国の場合増大したことに異論を唱える者はない。それに比べ、消費で計測した不平等については意見が分かれている。この問題について、CEXでは消費に関して、2種類のデータがあることに着目し、その両方を用いることにより、より精度の高い推定を行う手法をAttanasio、 Battistinの両名と開発した。投稿した論文は掲載された。
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Research Products
(1 results)