2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18330046
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
井伊 雅子 Hitotsubashi University, 大学院・経済学研究科, 教授 (50272787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
縄田 和満 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00218067)
高橋 泰 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (80296194)
外山 比南子 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50180188)
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Keywords | DPC / 包括支払制度 / 診断群分類 / 白内障 / 平均在院日数 / 診療報酬 / 高額診療点数 |
Research Abstract |
平成14年診療報酬改定に係る中央社会保険医療議会(中医協)答申によって,平成15年4月からDPC (Diagnosis Procedure Combination,診断群分類)による包括支払制度が,82の特定機能病院(大学病院および国立がんセンター・国立循環器センター)に対して導入された。その後,平成16年4月より,DPCを希望し一定の条件を満たす一般の病院が順次DPCの施行を開始しているおり、その重要性は今後益々高まると考えられる。本年度は、前年度に引き続き3回のDPC制度に関する研究会を開催し、制度の現状・問題点等について分析を行った。 次に、本年度は,具体的に白内障手術(DPCカテゴリーコード:020110)におけるDPC包括支払制度の評価を行った。使用したのはDPC病院協議会において収集された患者のデータである。分析の結果、患者の特性,主傷病名,副傷病・処置2の有無等の違いを考慮しても,平均在院日数が病院ごとに大きく異なり、DPCによる包括支払部分において3.5倍もの差が認められた。一方,出来高評価部分の差は比較的小さく,平均からの乖離は最大でも1割程度であった。このため,病院ごとの診療報酬のばらつきの主要部分は,診療報酬全体の1/3程度に過ぎないDPCによる包括評価部分となっていることが認められた。この結果,医療資源の有効な活用のためには,制度の見直しにおいて,その傷病の特性を考慮することが必要であると強く示唆されるとの結果を得た。さらに、医療データの分析に必要なモデル・分析手法に関する問題の理論的な分析を併せて行った。 DPC調査データ全般において、在院日数に影響を与える因子を分析した結果、入院時併存症の有で4日、転科有で15日、入院後合併症有で約7日長くなることがわかった。入院時併存症の影響は、呼吸器系疾患、消化器系疾患、皮膚科系、内分泌系、新生児疾患において影響が大きかった。
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