2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18330049
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大竹 文雄 Osaka University, 社会経済研究所, 教授 (50176913)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 健 京都大学, 経済研究所, 教授 (60159506)
黒澤 昌子 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (40275813)
佐々木 勝 大阪大学, 社会経済研究所, 准教授 (10340647)
|
Keywords | 企業内訓練 / 人的資源管理 / 生産性 / 職場外訓練 / 職場内訓練 |
Research Abstract |
職場レベルの訓練は本当に生産性を高めているのか。一つ一つの作業はそれほど熟練を要しない工程が多いにもかかわらず経験が長い従業員がOJTを受けているのはなぜなのか。職場訓練は予想外のショックに対応して複数の工程をこなす上で有効なのか。こうした疑問について計量的に答えた研究は今までなかった。本研究では、これらの疑問に答えるために、自動車の組み立てを行っている製造業の2社の製造ラインにおける職場レベルの組み立て作業員と職長の双方について、訓練および生産性と職場の状況に関する継続調査を行った。具体的には、2つの自動車製造組み立てラインにおける約100名の従業員と約20の組長について3回ずつ、訓練量、生産性、ラインスピードの変化、組における総工程数、従業員の実施可能工程数などについて追跡調査を行った。その調査をもとに、OJT, offJT,自己啓発の実態を明らかにし、訓練の決定要因と訓練が従業員の生産性に与える影響について実証的に明らかにした。その結果、勤続年数が長い従業員であってもOJTを受けていること、OJTを受けるのはラインスピードの変化による作業工程の内容の変化と従業員の組間移動が発生しているためであることを計量経済学的に明らかにした。また、OJTを受けた量と主観的生産性の伸びとの聞には、統計的に有意な相関があることも明らかにした。本研究は、今まで定性的な研究しか存在しなかった職場レベルの訓練と生産性の実態について、同一従業員を追跡し、数量的なデータを集めて計量経済学的な分析を行って、日本の自動車組み立て企業の職場レベルの訓練の実態を明らかにした。
|
Research Products
(17 results)
-
-
-
[Journal Article]2010
Author(s)
大竹文雄・小原美紀, 黒澤昌子
-
Journal Title
労働市場と所得分配(内閣府経済社会総合研究所企画・監修、樋口美雄編集)(慶応出版会)
Pages: 253-285 591-622
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-