2007 Fiscal Year Annual Research Report
非経済的価値の国際的相違・対立と新しい貿易体制の構築に関する研究
Project/Area Number |
18330050
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 顕三 Osaka University, 大学院・経済学研究科, 教授 (00175902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 一治 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00183038)
石川 城太 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80240761)
古沢 泰治 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80272095)
趙 来勲 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70261394)
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Keywords | 移行経済 / 混合寡占 / 生産性分布 / 児童労働 / グローバリズム / リージョナリズム / 貿易政策 |
Research Abstract |
本年度も、昨年度に引き続き、(1)グローバリゼーション下における新しい企業行動の分析と政策分析、(2)非経済的価値の国際的相違とその下での貿易体制の分析、(3)新しい貿易体制構築のための交渉およびその体制の維持に関する分析、という3つの大きな研究課題について研究を行った。主な研究内容は以下の通りである。 第1に、市場経済において民間でも供給可能な財・サービスを政府が、時には民間企業と競合しつつも、提供することの経済的意味について理論的に明らかにした。こうした混合寡占に関わる議論は、移行経済における経済制度や公共政策のあり方を検討する上で重要である。 第2に、同一産業内での企業の生産性分布がどういう要因でどのように決まってくるのかを理論的に分析した。豊富国において新技術の採用が進み産業内企業間格差が拡がっていくことや、貿易によって資本豊富国の新技術採用ペースが遅くなることなどを理論的に示した。 第3に、完全競争下の2部門一般均衡モデルに児童労働を導入し、貿易政策、熟練労働者の移民、児童労働の賃金に対する補助金などが児童労働の雇用に与える影響を分析し、また児童労働の禁止が資源配分にどのような影響を与えるかを分析した。小国開放経済下で児童労働の一般均衡分析を厳密に行った分析はこれまでにない。 第4に、近年、グローバリズムV.S.リージョナリズムといった議論や相殺関税、輸出補助金、価格拘束といった貿易政策をめぐる議論が盛んになされているが、それらの議論を考察するためのモデルを提示し、それに基づく新たな含意を導いた。
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Research Products
(9 results)