2008 Fiscal Year Annual Research Report
非経済的価値の国際的相違・対立と新しい貿易体制の構築に関する研究
Project/Area Number |
18330050
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 顕三 Osaka University, 大学院・経済学研究科, 教授 (00175902)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 一治 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00183038)
石川 城太 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80240761)
古沢 泰治 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80272095)
趙 来勲 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70261394)
|
Keywords | 非経済的価値 / 国家貿易管理 / 労働基準 / 公共財 / グローバリズム / リージョナリズム |
Research Abstract |
本年度も、引き続き、(1)グローバリゼーション下における新しい企業行動の分析と政策分析、(2)非経済的価値の国際的相違とその下での貿易体制の分析、(3)新しい貿易体制構築のための交渉およびその体制の維持に関する分析、という3つの大きな研究課題について研究を行った。主要な研究内容は以下の通りである。第1に、貿易介入手段としての直接規制の経済効果を、ゲーム理論的枠組みの下で再検討するとともに、移行経済や社会主義経済はもとより自由主義経済においても農産物貿易において採用される国家貿易管理の経済的影響を明らかにした。第2に、労働基準の問題に注目し、政府の労働基準政策を労働組合の交渉力とみなし、国内(北)の会社と外国(南)の会社間の経済競争や最適労働基準との関係を分析した。労働組合が雇用指向の場合、労働基準の最適レベルがより高いこと、また、自由貿易の中で労働基準がより高いレベルになることが示された。さらに、労働基準の「底へのレース」は、労働組合が賃金指向の場合に起こることが明らかになった。第3に、地球環境といった公共財の供給問題におけるフリーライダー問題について研究を進め、自発的公共財供給問題における扱いやすい新たな解コンセプトであるfree-riding-proof coreを提唱し、その性質を理論的に解明した。第4に、貿易自由化の推進をグローバリズムのもとですべきなのか、リージョナリズムのもとですべきなのかという視点から、3国モデルを構築し、経済統合がどのような効果をもつのかについて検討した。通常、貿易自由化は2国モデルで分析されることが多いが、それを3国モデルに拡張し、今まで指摘されていなかったスピルオーバー効果を明らかにした。
|
Research Products
(13 results)