2008 Fiscal Year Self-evaluation Report
An Economic and Game-theoretic Study of the Loss of Ethics and the Decline in Trust in Markets, Organizations, and Society
Project/Area Number |
18330059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Economic policy
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
ARAI Kazuhiro Hitotsubashi University, 大学院・経済学研究科, 教授 (40134879)
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Project Period (FY) |
2006 – 2009
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Keywords | 日本経済 / 信頼低下 |
Research Abstract |
今日の日本社会が大きく変容しつつあることに多くの人が気づいていると思われる。本研究はそれと密接に関連する問題、すなわち市場・組織・社会全体において倫理が消失し信頼が低下していることに関して多角的な分析を行う。すなわち、一般国民の抱いている倫理感や信頼の水準の現状、倫理喪失や信頼低下の原因、倫理喪失や信頼低下が引き起こしている問題、そうした問題の解決策などを考察する。その一つの方法として、調査会社のサービスを利用したウェブアンケート調査によって、次のような問題に関して一般人の経験や意識に関する情報を収集して分析する。第一は、1990年代半ば以降に頻発している組織内の不祥事の発生するメカニズムや解決法である。第二は、市場における信頼低下の現状や原因と信頼の回復方法である。第三は、中央・地方政府に対する信頼の現状と問題点である。そして第四は、社会一般対する信頼と教育に対する期待である。もう一つの方法として、学生を被験者としたゲーム実験を行い、信頼・文化・価値観などがゲームの結果にどのような影響を与えるかを分析する。より具体的には、公共財ゲーム、繰り返しゲームなどを独自に変形したゲームを考案して実験し、上記の問題を考察する。さらに、海外の大学でセミナーを行ったり、研究者と討議したりして、本研究者の考えを発表し意見を交換する。倫理や信頼の問題は、海外と比較して考察してはじめて、何がどの程度重要な問題であるかを理解できるようになる。
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