2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本における航空ネットワークの再編成と空港の効率的運用
Project/Area Number |
18330065
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
竹中 康治 Nihon University, 経済学部, 教授 (50188207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 一誠 日本大学, 経済学部, 教授 (60290269)
村上 英樹 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (90243295)
手塚 広一郎 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (90323914)
吉田 雄一朗 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (70339919)
浦西 秀司 福山平成大学, 経営学部, 講師 (80362820)
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Keywords | 国際航空協定 / オープンスカイ / システムインテグレーター / トランスログ費用関数 / 空港の所有・運営形態 / PFI / 空港債 / 債券格付け |
Research Abstract |
1.アメリカのシステムインテグレーターの費用構造とサービスの質に関する定量分析:(1)FedExは「高品質・高価格」という垂直的差別化によって地位を確立しようとしており,DHLやUPSはそれに追随している。(2)貨物航空会社は路線拡張による「ネットワーク規模の経済性」の実現よりも,ネットワークの合理化やシステムインテグレーター事業への投資を行っている。(3)荷主から見て「高品質・高価格」というFedExの戦略は持続可能な戦略ではなく,高品質を維持しつつ費用を削減することが今後の課題となる。 2.オープンスカイ政策の効率性に関する理論分析:(1)排他的な二国間協定の締約国が国益を最大化するとき,締約国は第三国の航空会社の参入を認めない。(2)3カ国以上が相互に市場を開放すれば二国間協定にもとづく利得を上回る。(3)アジアにおいて3カ国が多国間自由協定を結べば,参加国は増えていくと予想される。 3.アメリカにおける空港債と格付けの分析:中規模以上の空港の資金の50%以上は空港債で調達される。高い格付けを得ることによって利回りを低下させ,公債費を縮小することが格付けを受けるインセンティブとなる。実際に格付けに影響を及ぼすのは,旅客数や後背地人口などの空港固有の指標と一部の財務指標などである。 4.空港の所有・運営とインセンティブの関係についてのモデル分析:関西空港のように株式会社であっても政府が株式の一定割合を所有する第三セクター方式と羽田空港で導入が検討されているPFI方式との厚生比較を簡便なモデルを用いて行った。その結果,所有を民間に限定するPFIスキームは,経営インセンティブを引き出しやすいという点で優れていること,ただしPFIの場合,すべてのレントを吸収する契約は事業者の運営へのインセンティブが損なわれ,厚生損失が生じる可能性があること,などが示された。
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Research Products
(8 results)