2006 Fiscal Year Annual Research Report
インドにおける労働集約型経済発展と労働・生活の質に関する研究
Project/Area Number |
18330074
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉原 薫 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (60117950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 悠 千葉大学, 法経学部, 教授 (20046121)
脇村 孝平 大阪市立大学, 経済学研究科, 教授 (30230931)
長崎 暢子 龍谷大学, 国際文化学部, 教授 (70012979)
大石 高志 神戸市外国語大学, 外国語学部, 助教授 (70347516)
神田 さやこ 慶應義塾大学, 経済学部, PD研究員 (00296732)
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Keywords | インド / 労働集約型経済発展 / 労働の質 / 生活水準 / 中小工業 |
Research Abstract |
初年度は、メンバー全員が海外で調査、資料収集にあたった。また、これまでの研究成果を共有し、本研究における成果に発展させるため、3回の共同研究会を開催し、京都大学や龍谷大学のスタッフ、院生の参加を得て活発な討論を行った。 杉原は、グローバル・ヒストリー研究で話題になっている「大いなる分岐」と生活水準論争について報告するとともに、20世紀の世界のエネルギー利用の変遷の歴史とそのなかでのインドの地位を統計的に紹介した。柳沢は、長期的視点からの印中比較論と、村落共同地利用の変化と農業の集約化を、ボーズラップの議論をふまえて比較史的に考察した論考を発表し、とくに後者では本研究が追究すべき一つの方向を示した。脇村は、労働集約型経済発展におけるサービス部門の重要性を指摘するとともに、カルカッタにおける屎尿処理問題の検討をつうじて、都市衛生史を展望し、生活の質の歴史への接近方法にも言及した。長崎は、ガンディーの開発思想を紹介し、その政治運動との関係を論じた。さらに、大石は、マッチ製造業を事例に労働集約型産業の展開を、神田は、19世紀前半のベンガル製塩業における在来エネルギーの利用を、西村は、第一次大戦前の英領インドにおける小額貨幣の役割を、それぞれ論じた。 全体としては本研究に共通の問題関心や方法を共有することに議論の重点を置いたが、年度後半に行った杉原、大石、西村の報告のように、本研究で収集した資料を一部利用したものも見られた。 来年度は、外国研究者との共同討論も深め、一層のテーマの普遍化、視点の構造化を図りたい。
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Research Products
(20 results)