2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業のグローバル・グループ経営体制とコーポレートガバナンスのあり方
Project/Area Number |
18330089
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
寺本 義也 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 教授 (30062178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 良 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90153030)
高井 透 日本大学, 商学部, 教授 (60255247)
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Keywords | グローバル・グループ経営 / 経営組織 / グループ・シナジー / グループ・プレミアム / イノベーション創発能力 |
Research Abstract |
近年のグローバル競争の激化、連結決算制度の導入などによって、日本企業も今までのような本社や特定の子会社だけが高業績を達成するという部分最適化ではなく、国内外のグループ各社が保持する経営資源を融合し、企業グループ全体の価値を向上させる全体最適のグローバルな規模でのグループ経営の構築を模索し始めてきている。言い換えれば、(1)企業グループとして複数のビジネスモデルを抱えているため、個々のビジネスライフサイクルを超えて持続的に企業の業績を向上させることができ、(2)グループ内でのダイナミックな資源配分を可能となり、(3)特定のグループ企業が蓄積した差別化の高いマネジメント・ノウハウや技術スキル等をグループ全体で共有化することができるという、「グループ・シナジー」ないし「グループ・プレミアム」を積極的に創出することによって、グループ価値最大化を追求しようとしている。しかしながら、グループ・プレミアムを引き出すマネジメントの手法は明確に確立されているとは言えないし、その理論化も殆ど試みられていないのが現状である。 このような背景を踏まえて、今年度は既存の「グループ経営」に関する文献ならびに各種資料を探索し、これまでの研究をそれぞれ各自の専門領域の立場から多面的にサーヴェイしつつ、先進的なグローバルグループ経営を確立している国内外の企業の事例研究を実施した。そして、この事例研究を通じて、グループ経営に関する一般的な諸変数を抽出し、グループ経営に関する仮説的命題を提示し、事例研究から導出された諸仮説を大量サンプルを対象とし、多変量解析により検証した。
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