2006 Fiscal Year Annual Research Report
経営戦略レバレッジによる企業価値の創出に関する多面的な理論的・実証的研究
Project/Area Number |
18330096
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
西村 優子 青山学院大学, 経営学部, 教授 (10099228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 茂男 青山学院大学, 会計プロフェッション研究科, 教授 (50129061)
高橋 邦丸 青山学院大学, 経営学部, 助教授 (10276016)
鹿島 浩之 青山学院大学, 経営学部, 助教授 (60406816)
竹田 賢 青山学院大学, 経営学部, 助教授 (20286230)
亀坂 安紀子 青山学院大学, 経営学部, 助教授 (70276666)
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Keywords | 企業価値 / 資本コスト / 経営戦略 / 経営資源 / 市場 |
Research Abstract |
プロジェクト初年度においては、企業価値評価ならびにその創出・評価に関わる経営戦略、金融市場の各領域において各研究分担者が以下のテーマで研究を行った。 企業価値評価モデルの研究領域においては、青木がDCF法と割引超過利益法による株主価値計測について、不確実性を考慮したモデルをモンテカルロ・シミュレーションによって評価する手法を導入した。矢内はOhlsonが提唱した企業価値評価モデルの有用性を検証するために、研究開発投資を考慮したモデルの有用性との比較を行った。西村は研究開発投資の管理に用いられるマネジメント・コントロール・システムの実態を分析し検討し,研究開発投資のマネジメント・コントロール・システムを規定する要因を検討し明らかにするために企業の研究所に質問票を郵送した。 高橋は企業価値向上の戦略としてのM&Aに着目し、M&Aの目的や取引形態の違いが株価や利益に与える影響について文献調査を行った。矢澤は,会計学の観点から非監査業務と監査業務の同時提供によるガバナンスの機能不全と企業価値の毀損という問題意識から、非監査業務と監査業務の関連性について実証的に検証を行った。 ファイナンスの観点からは、鹿島が事業間資源配分の問題をポートフォリオ選択問題と捉え、期待リターンの推定が投資意思決定に与える影響について調査を行った。竹田は企業価値の評価指標の一つである固定資本効率について、物流拠点立地という物理的ネットワークの最適化問題をオペレーションズ・リサーチの観点から定式化し、分析を行った。 金融市場領域におけるファイナンスの観点から、島田が企業価値・業績評価などにおいて重要な役割を果たすCAPMについて、動学的手法を導入することで分析を行った。亀坂は株式市場において企業価値に影響を与える投資家行動に注目して、投資家の予測形成について分析を行った。 これらの研究・分析の成果の詳細は、「11.研究発表、雑誌論文」の各項目を参照されたい。 来年度においてはこれら各領域の知見と研究成果を統合し、企業の経営者ならびに投資家に対して経営戦略策定の評価と選択にかかる意思決定に有用な情報作成と提供という会計の機能の視点から、種々のタイプの経営戦略が企業価値のどの部分に作用することで企業価値創出に繋がるのかをファイナンスの研究成果も織り込んで体系化することによって、その理論構造を分析し,さらに実証分析も行っていく予定である。また,経営戦略の企業価値に及ぼす影響の経路およびプロセスについて,深く検討し詳細な分析が必要なため,この点についても次年度明らかにしていく予定である。
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