2008 Fiscal Year Annual Research Report
若者の中間集団的諸活動における新しい市民的参加の形
Project/Area Number |
18330101
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
浅野 智彦 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 准教授 (00262220)
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Keywords | 青少年 / 文化 / 余暇的活動 / 社会関係資本 / 一般的信頼 / 公共性 |
Research Abstract |
今年度は、2007年度に東京都および韓国ソウル市において実施した調査のデータを統計的な手法によって分析し、そこから得られた知見を研究会において検討した。その成果を整理すると以下のようになる。これらは国内、国外の代表的な学会において報告された。 1 社会関係資本論において主張されてきたほど公共性に対する趣味的結社の効果は強くない。また若者における二次的結社への参加は低調ではあるもののアメリカなどでいわれているような低落傾向を示してはいない。 2 ただし趣味的結社だけではなく複数の集団に所属することは公共性を促進する効果を持つことが確認される。つまり所属それ自体よりも所属の多元性が重要であると推測される。 3 それと同時に確認されるのは、仲の良い友人関係が公共性を促進する効果をもっていることだ。このことは私的な領域の中にこそ公的な領域へと若者を水路づける鍵があることを示している。 4 また同じ趣味的結社といっても学校内部において行われている部活・クラブには特に効果を認めることはできない。また趣味をともにする友人を持っているだけは公共性を促進する効果は発生しない。趣味が効果を持つのは学校外での結社の形をとる場合に限られる。 5 特にソウル調査との比較で重要なのは日本では趣味的活動が学校内部に囲い込まれる傾向があり、学校外で展開されていたならば生じていたであろう公共性促進効果が低く抑えられている可能性があることだ。
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Research Products
(7 results)