2009 Fiscal Year Annual Research Report
社会のおけるメディアの役割:東南アジアにおける市民生活とメディア
Project/Area Number |
18330112
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
藤田 真文 Hosei University, 社会学部, 教授 (60229010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 真子 法政大学, 社会学部, 教授 (80247113)
内藤 耕 東海大学, 文学部, 准教授 (30269633)
相良 剛 明治大学, 文学部, 講師 (60386414)
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Keywords | 国際マスコミ論 / ジャーナリズム論 / ジェンダー研究 / インドネシア / マレーシア |
Research Abstract |
1.マレーシアの民主化と選挙報道について、総選挙時のメディア報道を中心として分析を行った。マレーシアでは主要メディア(新聞、TV・ラジオ)が与党関係者に所有されており、従来は英字紙よりも自由な報道をしていたとみられていた主要華語紙も1990年代末に買収されて与党系となるなど、主要メディアは政府寄りとなっている。1999年総選挙ではマハティール政権下で与党陣営中心の報道がなされた。長期政権をほこったマハティールが政権を離れた2004年、2008年の総選挙では、そうした報道のあり方がどのように変わったかを分析の対象とした。2.インドネシアの総選挙報道にみる民主化とメディアの役割を中心に調査研究をおこなった。権威主義の教科書的存在であったスハルト政権の崩壊により、インドネシアではいっきに報道の自由が進んだ。2004年と2009年の選挙報道を中心に分析をおこなったほか、地方の県知事選挙とテレビ放送の関係についてもとくにバリ州をケースとして調査した。「マレーシアの市民生活におけるメディアとジェンダー」について研究することを課題とした。3.インドネシアにおけるテレビドラマと女性視聴者に関してインタビュー調査を行った。インドネシアでは、韓国および台湾のドラマが浸透し、汎アジア的な都市文化の受容の経路となっていることがわかった。4.マレーシアは1980年代以降、急激な経済成長の中で女性の労働参加も進み、経済成長による社会変化に加え、女性をめぐる社会的状況も大きく変化した。メディアもそうした女性の状況を反映してきたが、女性工場労働者のネガティブ・イメージや少女の問題行動のケースなどは、社会問題とメディアとの作用も指摘できよう。また、マレーシアのジャーナリズムにおける女性スタッフの位置付けや女性を扱う記事や取り上げ方などを主要新聞社社会変化によるメディアとジェンダー観の変化を対象とした。
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Research Products
(7 results)