2008 Fiscal Year Annual Research Report
変動期社会における離島および山村地域の政策課題に関する実証的研究
Project/Area Number |
18330114
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
青木 康容 Bukkyo University, 社会学部, 教授 (40104616)
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Keywords | 地方自治 / 地方自治組織 / 市町村合併 / 中央地方政府間関係 / 過疎 |
Research Abstract |
2008年は最終年度でもあり、インテンシヴな現地調査と研究例会における議論の活性化がみられた。現地調査においては、最終報告に向けてそれぞれの研究メンバーによる担当地域の継続的なヒアリングが行われた。もう一つの研究課題である小規模自治体における政策課題に関する首長アンケート調査の解析が行われた。調査対象である自治体には離島山村を含む自治体としたため必ずしも「小規模」とうわけでもなく人口10万人以上の自治体も含まれた。主たる設問は、いわゆる平成の大合併によってどのような行政上の変化が見られたか、2000年の地方分権一括法を契機として「地方分権」が叫ばれているが、そうした分権化においてなお国の法律に拘束されて自治政策のネックになっている法律にはどのようなものがあるか、地域資源として活用しようとするものは何か、地域資源としての森林をどのように利用されているか、活用の際の問題点は何か、地方分権が国の政策として促進される中で地域自治組織としてどのようなものがあるのか、それはどのように機能しているのか、などであったが、実に多様な回答が寄せられ、多くの知見が得られた。 現地調査に関する研究メンバーの報告にはいくつかの注目すべき観察があった。人口100名に満たない沖縄県鳩間島における「地域の持続可能性」論、福岡県の宗像市と離島の大島村との合併を巡る軋轢から垣間見る「自治」と「行政」の問題、兵庫県丹波市住民に見られた合併によって生じた地域アイデンティティの問題、長野県の野沢温泉村は合併を拒否し、単独自治体を選択したがその際見られた地域権力構造の問題など、実に豊富な成果を得たと見ることが出来る。その実質的な成果は2009年6月に刊行される「報告書」第3集に掲載されよう。
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Research Products
(3 results)