2007 Fiscal Year Annual Research Report
オーストラリアと日本の自治体における業務記録管理システムの比較研究
Project/Area Number |
18330117
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Research Institution | Koyasan University |
Principal Investigator |
藤吉 圭二 Koyasan University, 文学部, 准教授 (70309532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 祥子 高野山大学, 国立国語研究所・情報資料部門, 研究員 (80342939)
前川 佳遠理 国文学研究資料館, 複合領域研究系, 助教 (30413917)
磯村 和人 中央大学, 大学院・国際会計研究科, 教授 (60241733)
水垣 源太郎 奈良女子大学, 文学部, 准教授 (10294274)
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Keywords | アーカイブズ / 電子記録 / アカウンタビリティ / VERS / PROV |
Research Abstract |
2007年度は9月のヴィクトリア州公文書館訪問を軸に、ヴィクトリア州政府においてどのようなイニシアティブによってVERS:Victorian Electronic Records Strategyの整備が推進されたのかという点を中心に調査を実施し,その成果を数度の事前および事後研究会によって研究チームで共有した。 公文書館訪問中にはVERS推進に中心的役割を果たしたスタッフへの聴き取り調査を行ない、それによってVERSとして結実した行政文書の包括的な電子化という取組みが、意思決定の府である議会の主導によってではなく、公文書館側とりわけ電子化について熱心に研究を進めていた館のスタッフおよび当時の館長による州政府への積極的な働きかけによって推進されたということが判明した。研究開始当初は、多額な資金投入に対する議会の承認があったことをもって、議会メンバーすなわち政治家レベルの強力な推進があったのではないかと推測されたが、この点について実際の経緯を明らかにすることができた。 訪問期間中の1日を割いて州立図書館での資料収集を実施し、公文書館がヴィクトリア州に設けられるまでの経緯や設立後の運営などについて、州議会でどのような議論がなされたかを議事録を中心に調査し、それについて言及されている部分を複写して持ち帰った。この資料についてはVERS推進に先立つ背景資料として今後活用していく予定である。 当初は訪問中に州政府職員へのインタビューを予定していたが、事情により実現しなかった。パイロット的にVERSを導入した州政府機関の職員に対してインタビューを行ない、その使い勝手や業務スタイルへの影響などについて調査することにしていたが、これについては後日を期したい。
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Research Products
(7 results)