2008 Fiscal Year Annual Research Report
北東アジア諸国の福祉レジームに関するポスト・オリエンタリズム的な国際比較研究
Project/Area Number |
18330120
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武川 正吾 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40197281)
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Keywords | 国際社会福祉 / 比較福祉国家射 / オリエンタリズム / 福祉レジーム / 東アジア |
Research Abstract |
本研究は,北東アジア諸国・諸地域(日本,韓国,中国,台湾,香港,等々)における福祉シ玖テムを,主として,福祉レジーム論とポスト・オリエンタリズム論といった二つの観点から国際比較分析をすることを目的としている.本研究は四力年計画で実施され,平成20年度はその第三年度に当る,平成20年度は平成19年度の研究成果を踏まえて,以下の研究課題に取り組んだ. (1)ポスト・オリエンタリズム・アプローチの理論的な検討を進めた.平成20年3月に開催したワークショップ「東アジアの福祉レジーム」に参加した研究協力者が,提出論文の改訂のためのリライトを行った. (2)実証的な研究については,日本・中国(大陸)・韓国・台湾に加えて,モンゴルの調査も行った.同国は共産主義崩壊後,中央アジアから東アジアの.一角としての位置づけが強まりつつある. (3)これまでの成果をさらに発展・彫琢するため,東アジア諸国の社会政策研究者との研究交流を深めた.平成19年7月には中国・上海市で開催された社会政策国際論壇・東亜論壇に招待され講演を行った.同年9月には愛知県の日本福祉大学で開催された第四回社会保障国際論壇に出席して,討論者をつとめた,11月にはEASP(East Asian Social Policy research network)が台北市の国立台湾大学で開催され,これに参加した.12月には広州市の中山大学で開催された東アジア公共管理フォーラムに招待され,報告を行った. (4)東アジアの社会政策について考える場合,東アジアの地域統合や東アジア共同体との関連が重要となる.平成20年度はこの点についての検討を開始した.平成21年度には,この視点をさらに深める1予定である.
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