2009 Fiscal Year Annual Research Report
北東アジア諸国の福祉レジームに関するポスト・オリエンタリズム的な国際比較研究
Project/Area Number |
18330120
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武川 正吾 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40197281)
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Keywords | 国際社会福祉 / 比較福祉国家 / オリエンタリズム / 福祉レジーム / 東アジア |
Research Abstract |
本研究は,北東アジア諸国・諸地域(日本,韓国,中国,台湾,香港,等々)における福祉システムを,主として,福祉レジーム論とポスト・オリエンタリズム論といった2つの観点から国際比較分析をすることを目的とした。平成21年度は4年の研究期閥の最終年度であったが,前3年間の研究成果を踏まえて,以下の課題を中心に研究を進めた。(1)引き続きポスト・オリエンタリズム・アプローチの理論的検討を行い,平成20年3月に開催したワークショップ「東アジアの福祉レジーム」の論文集の編集を終えた。これは2010年度に刊行の予定である。(2)東アジアの社会政策や福祉レジームに関する国際会議などに積極に参加し,各国研究者に対して研究成果を情報発信した。平成21年7月には中国済南で開催された社会政策国際論壇で,9月には中国北京で開催された社会保障国際論壇で研究発表した。なお,平成21年9月と22年1月には「東アジア社会保障モデル」ワークショップに参加し,日中韓の社会保障制度比較について報告・討論をした。(3)北東アジアの福祉レジームを当地域における地域統合の動向と結びつけて捉えるための研究を進めた。(4)本研究の研究成果を継承・発展させるために,平成22年以降の研究プロジェクトの内容・目的を検討し,11月に研究合宿を行った。 4年間の研究を通して,北東アジアの諸国・諸地域の福祉レジームに対するポスト・オリエンタリズム的なアプローチを導入するためには,段階論的な視点,体制転換の視点,地域統合の視点に発つことが不可欠であるとの結論に達した。本研究での結論を踏まえて,平成22年度から始まる「東アジアの地域統合と福祉レジームに関するポスト・オリエンタリズム的な国際比較研究」の研究に取り組んでいきたい。
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