2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18330127
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
須加 美明 Mejiro University, 人間学部, 教授 (40271457)
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Keywords | 社会福祉 / 高齢者福祉 / サービス評価 / 訪問介護 / 満足度 / サービス提供責任者 |
Research Abstract |
(1)訪問介護事業所の対応を評価する尺度の開発 サービス提供責任者が利用者にきめ細かく応じているかなど「事業所の対応」による質の差を測るために尺度15項目を作り、調査1(平成19年)で信頼性と妥当性を一定の範囲で確かめた。尺度の作成に用いたデータとは別の標本によって交差妥当性を確かめるため、平成20年に訪問介護利用者を対象に調査2を行い欠損値のない本人回答297件を分析対象とした。探索的因子分析の結果、仮説とした5因子(事情聴取と仕事の説明、ヘルパーの仕事範囲、必要とのズレ、サービスの継続性、サービスのばらつき)が抽出され、確認的因子分析の結果、モデルの適合度はCFI=0.960,RMSEA=0.086で構成概念の妥当性がある程度確認できた。本尺度の測定モデルとしての頑健性を調べるため、調査1と調査2をもとに多母集団分析を行った結果、パラメタの制約が最も強い第4段階でも適合度はCFI=0.989,RMSEA=0.056となり、本尺度は測定状況が変わっても得られる知見が安定した尺度であると思われる。尺度の信頼性はCronbachのαが調査1調査2ともに0.88で十分なことが確かめられた。 (2)援助関係尺度の改定と訪問介護の満足度の構成概念 既に開発したヘルパーとの援助関係を測る尺度について、2回の調査データを用いて本人だけでなく家族回答にも適用できる短縮版10項目を作り、その適合度も十分なことを確かめた。先行研究では満足度を構成する概念の数やタイプについて共通見解はないと言われているなかで、本研究は訪問介護の満足度には、援助関係と事業所の対応の次元があることを尺度によって確認し、従来明らかでなかった満足度の構成概念の一端を訪問介護において解明したことになると思われる。
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Research Products
(3 results)