2009 Fiscal Year Annual Research Report
援助機器導入による重度知的障害者の生活ニーズの視覚化と自立支援技法に関する研究
Project/Area Number |
18330128
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
吉川 かおり Meisei University, 人文学部, 教授 (90309013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 正幸 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (00268054)
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Keywords | 知的援助機器 / 生活ニーズの視覚化 / 重度知的障害 / 交互作用による変化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、生活ニーズを言語化することが困難な重度知的障害者に焦点をあて、生活ニーズを視覚化する方法および援助機器の開発・導入を行い、自立度の向上を図り、職員との交互作用の変化を実証し、社会との交互作用を変化させる糸口を見つけることにある。 具体的な内容は次の4点であり、特に今年度は知的障害のある研究協力者への支援活動および効果測定、重度知的障害者自立支援啓発のための講演会の開催(海外からの研究者招聘)および研究成果発表、重度障害者を組み入れた社会システム・政策提言を行った。 1.生活ニーズを視覚化して支援する方法を確立する。 2.既存の援助機器を改良または開発、海外での援助機器を試験的に導入し、自立度の向上に関して効果測定をする。 3.自立度の向上が職員の負担減にどのように寄与したか、援助機器導入による費用対効果を明らかにする。 4.自己の要求を視覚化するツールを用いてのエンパワメントにより、重度の人々の社会参加の促進を図るための政策立案を行う。 その結果、知的援助機器を用いた活動の開始当初には意思交換が発達段階0歳レベルだった参加者が、12カ月レベルの反応を示すようになる、同様に6カ月レベルだった因果関係の認識力が12~18カ月レベルへ、属性の認識力が12カ月レベルから18カ月レベルへと変化した例も見られた。特に、活動を通して担当職員との関係性が深まった。 海外からの研究者招聘として、スウェーデン・ストックホルムの知的援助機器センターKlara MeraプロジェクトリーダーのBirgitta Wennberg氏に、スウェーデンでの知的援助機器導入の状況と今後の展開について講演会を開催し、福祉工学分野における知的援助機器についての啓発および、スウェーデン社会の動向と日本における重度障害者を組み入れた政策動向について日本の研究者(研究分担者ら)を交えた発表を行った。
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