2007 Fiscal Year Annual Research Report
家族再統合へのファミリーソーシャルワーク実践についての研究
Project/Area Number |
18330130
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中村 正 Ritsumeikan University, 産業社会学部, 教授 (90217860)
|
Keywords | 家族再統合 / グループワーク / 子ども虐待 / 認知行動療法 / 男性性 / ファミリーソーシャルワーク / 社会臨床 / 臨床社会学 |
Research Abstract |
大阪市中央児童相談所と連携して、虐待する家族への脱暴力行動変容への多元的な援助モデルを構築することを目的とした研究の第2年度目(平成20年度)である。改正児童虐待防止法が「家族再統合」を重要な課題と設定したことに対応して、その親への援助的関与が期待されていることに対応することが課題である。家族という関係性を地平にして実践されるので、心理社会的な相と親たちの家族心理史的な相を射程に入れた臨床社会学的な観点からの援助を開発することが援助論構築の目的としている。かかる観点からの実践を踏まえたアクションリサーチ的な研究としてデザインをしている。申請者がすでにドメスティック・バイオレンス加害男性向けに開発し、実践してきたグループワークの手法をもとにしている。さらに、親子関係を対象にしているので、個人面談と夫婦面談を実施している。それを参与観察し、家族再統合への修復モデルとして特長づけることができるファミリーソーシャルワークのモデルを構築する事例を蓄積してきた。今年度は、児童養護施設に入所し、親子分離されている家族を対象にして、親子再統合の時期にあたる家族に対してグループワークと面談を実施した。グループワークは月2回を12ケ月間実施した。並行して、個人面接、夫婦面接を実施した。さらに、随時、担当のソーシャルワーカーと事例会議を実施した。中心はあくまでも子どもにとっての家族再統合という点である。親の都合ではなく、子どもの福祉にとっての家族再統合を児童相談所外部機関が連携して実施することに意味があるといえる。こうした家族臨床的な援助実践からの知見をまとめ、グループワークの内容の検証をおこなうことに主眼を置いた。
|