2007 Fiscal Year Annual Research Report
格差社会での協同:格差解消にいたる基礎過程の解明と処方的研究への展開
Project/Area Number |
18330133
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
唐沢 かおり The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (50249348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田山 和久 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (90217513)
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
藤井 聡 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (80252469)
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Keywords | 原因・責任帰属 / 高齢者就労 / 高齢者支援 / 社会公正 / ジェンダーステレオタイプ / 正当世界信念 |
Research Abstract |
1.高齢者の失業に関する態度規定要因研究:高齢者の就労機会に焦点を当て、失業者、および、経済的成功者に対する態度の規定要因を検討した。特に、失業や経済的成功に対する原因・責任の認知、感情的反応、失業者に対する政策への態度、経済的成功者に対する態度、社会的資源の再配分に対する態度を検討した。その結果、原因が社会的・個人的・運命的要因に分化すること、社会的原因への帰属が、失業者に対する寛容な態度につながること、また、個人的原因での経済的成功者に対しては、豊かであることを正当とみなすことが示された。 2.個人差要因が経済的格差の責任帰属:個人特性である正当世界信念や他者の存在を意識する程度である他者意識の高低が経済的格差の責任帰属、それに伴う貧困者への支援的態度にどのような影響を及ぼしているのかを調査した。その結果、正当世界信念は、責任帰属に影響を与えなかった一方、他者意識が高いと経済格差をより社会的原因に帰属し、貧困者に対して支援的態度を保持することが示された。正当世界信念の効果が見られなかったことについては、貧困者に対しておおむね寛容な責任帰属(社会的責任への帰属)を行う傾向が高いことにその原因があったと考えられる。 3.ジェンダーステレオタイプと女性の性役割判断過程:女性に対する性役割(例:家庭的)に関する判断を促進、抑制する要因について、ステレオタイプ的判断の観点から、IATを用いて検討した。その結果、他者視線が「偏見抑制判断」規範を活性化させることにより、ステレオタイプ的判断が抑制されることが示された。
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Research Products
(15 results)