2008 Fiscal Year Annual Research Report
地方出身団塊の世代の老年期移行期における職業再適応:生涯発達の視点からの追跡調査
Project/Area Number |
18330134
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
細江 達郎 Iwate Prefectural University, 社会福祉学部, 教授 (70004059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 慎一郎 岩手県立大学, 社会福祉学部, 教授 (60305282)
小野澤 章子 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (30291850)
細越 久美子 岩手県立大学, 社会福祉学部, 講師 (90311894)
糸田 尚史 市立名寄短期大学, 保健福祉学部, 准教授 (90352484)
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Keywords | 職業的社会化 / 追跡調査 / 団塊の世代 / 集団就職 / 生涯発達 / 青年期 / 老年期 / 地域社会 |
Research Abstract |
本研究は、職業的社会化過程に関する追跡調査の再開である。対象は青森県下北半島の昭和39年中卒者の「団塊の世代」で退職期を迎えている。直接対象者は9中学544名である。所在確認された338名に面接調査を実施(関東3回、中部1回、下北3回)し、内60名以上と接触、有効面接数は47名となった。それ以外は郵送質問紙調査を行い、289名中125名の有効回答を得て分析対象とした。 生涯発達過程:I.青少年期:出身地域の生活・教育基盤の脆弱性と高度成長時代が金の卵として都市移動に向かわせた、II.青年期:移動先は高度産業社会・学歴社会であり、その出会いが多様なキャリア変化をもたらす。III.成人期:困難性を努力、自制、根性で克服し、自営業・職人キャリア、出身地域への回帰、組織内で懸命な上昇キャリアなどで対応した。単純労働不安定就労層も少なくない。成人期安定期では、職業、個人、家族、地域社会の各レベルの生活構造の厚みを作る。子どもの教育、老親介護などのライフサイクル事項とその危機への対応が老年期移行に変化をもたらす。IV.老年期移行期:職業のさらなる深化、離職・地域社会への再適応がはじまる。「都市周辺地域社会」と、「出身地域社会」回帰があるが、後者は50歳台での予測(40%以上)とは違い少数にとどまった。前者は、対象者の職種の特質から地域社会内がその生活基盤を形成したものが多く、その移行を比較的安定的にしている。また未確認者も含め都市不安定就労を継続し、出身地域とも交流に欠けるものも少なくない。今後医療・福祉の多様な問題に直面することが予想され、本研究はそうした課題に焦点化し、調査を継続していく予定である。青年期の都市就労のレベルの限定性が、老年期における地域社会回帰において肯定的な意味をもたらすなど生涯発達の視点からの意義は少なからずあり、また長期にわたる追跡調査の方法にも多くの寄与ができている。
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Research Products
(6 results)