2006 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う抑制・記憶・前頭葉機能の変化に関する研究:介入研究を基礎にして
Project/Area Number |
18330142
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉田 甫 立命館大学, 文学部, 教授 (80094085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 信元 白百合女子大学, 文学部, 教授 (90002295)
泰羅 雅登 日本大学, 大学院総合科学研究科, 教授 (50179397)
古橋 啓介 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (70125780)
大川 一郎 筑波大学, 人間学群, 教授 (90241760)
土田 宣明 立命館大学, 文学部, 教授 (40217328)
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Keywords | 高齢者 / FAB / MMSE / 日常行動 |
Research Abstract |
認知症高齢者の認知機能が改善した要因として、音読や単純な算数といった課題の遂行が1つの要因であるが、加えて彼らとサポータとのコミュニケーションのあり方も、認知機能などの改善に寄与しているという仮説を検討することが目的である。以下の基準に従って3つの実験群を設定した。つまり、第1は、サポータと利用者との人数比である。もっともコミュニケーションの多い群(H群)では1対1,中程度のコミュニケーション群(M群)では1対2,最も少ない群(L)では1対6とする。第2の基準は、フィードバックの有無である。L群は、基本的には自学自習群と位置づけるので、課題を遂行した結果に対するフィードバックは一切行わない。MとH群では、同じようなフィードバックを与える。第3の基準は、利用者とサポータとの会話内容である。L群では、先述したように自学自習なので、会話は学習を行う最低限のものとする。次にM群では、課題に関連するコミュニケーションは行う。具体的には、利用者から質問があった場合には適切に反応し、また利用者からの課題に関して何らかのコメント(例、この問題は難しいですね)に対しては消極的に対応する。H群は、課題に関連するコミュニケーションに加えて、課題に関連しないコミュニケーションも追加する。神経心理学的査定として、前頭葉機能を査定するFAB、認知機能を査定するMMSEを実施する。また日常行動を評定するために、日常行動評定尺度を構成し、職員による評定を求めた。 その結果、M群でFAB、MMSEの査定で、半年後にかけて有意な上昇があり、コミュニケーションが中程度の群での成績が最も高いという結果が得られた。また日常行動評定では、学習軍全体としてみた場合、活動能力、コミュニケーションなどの因子で有意な改善が見られた。一方対照群では、これらの因子で有意な低下が見られた。
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Research Products
(3 results)