2008 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う抑制・記憶・前頭葉機能の変化に関する研究:介入研究を基礎にして
Project/Area Number |
18330142
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉田 甫 Ritsumeikan University, 文学部, 教授 (80094085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 一郎 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (90241760)
土田 宣明 立命館大学, 文学部, 教授 (40217328)
古橋 啓介 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (70125780)
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Keywords | 高齢者 / 短期既往 / 作業記憶 / 前頭前野 / 介入 |
Research Abstract |
主な目的は、健康な高齢者の認知機能は、音読と計算を主体にした前頭前野を活性化する課題による介入で、認知機能の改善が明らかになりつつあり、こうした改善が生じるメカニズムを認知的加齢という観点から検討することである。認知的加齢において短期記憶、長期記憶、作動記憶、および展望的記憶が果たしている役割を実験的に検討する。介入を実施した直後に、これらさまざまな記憶課題を学習群に実施し、半年後の変化を検討する。さらにこうした学習を組織的におこなっていない健康な高齢者を対照群として設定し、学習群と同じ課題を使って半年間の変化を検討する。それにより、介入が認知的加齢にどのような影響を与えるかを解明することが、目的である。 短期記憶課題では、15個の単語を1リストとして画面に提示し、すべての単語を提示した後に再生を求めた。単語リストは、3種類提示する。これらのリストを提示し終わった後に、すべての単語の再生を求めるが、これが長期記憶課題となる。作業記憶については、1画面に複数個描かれている丸と三角を提示して、それらの個数をそれぞれ数えてもらい、△のみを記憶するように教示した。メモリスパンは、2〜6までの材料を準備して提示した。 これらの実験的な課題を介入直後と、半年後に実施した。その結果、介入群では、短期記憶と作業記憶のいずれにおいても、有意な成績の改善があった。しかし、介入を受けなかった対照群では、短期記憶では半年間に変化がなく、作業記憶課題では有意な低下が見られた。
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Research Products
(2 results)