2008 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症に対する認知行動療法の効果研究と臨床心理士への普及
Project/Area Number |
18330145
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丹野 義彦 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60179926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中安 信夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70126134)
石垣 琢麿 東京大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (70323920)
毛利 伊吹 帝京大学, 文学部, 講師 (20365919)
杉浦 義典 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (20377609)
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Keywords | 認知行動療法 / 統合失調症 / 臨床心理士 |
Research Abstract |
本研究は、欧米でさかんになっている認知行動療法をわが国において開発し、臨床心理士への普及をめざした活動をおこなうことを目的とする。多くの精神疾患の中でも、これまでわが国で取り組まれることが少なかった統合失調症や精神病への認知行動療法に焦点を当てる。平成20年度は、以下の研究・活動をおこなった。 1.認知行動療法の実際の技法について、臨床心理士向けにわかりやすく解説した『認知療法・認知行動療法事例ワークショップ』を編集し、星和書店から出版した。 2.2006年に来日したクラークとエーラーズ(ロンドン大学精神医学研究所教授)のワークショップと講演会について、『対人恐怖とPTSDへの認知行動療法』として出版した。また、認知行動療法のワークショップを普及させるために、以下の2冊の書籍をまとめ、金子書房から出版した。『ワークショップから学ぶ認知行動療法の最前線PTSD、強迫性障害、統合失調症、妄想への対応』および『ワークショップから学ぶ認知行動療法の最前線うつ病、パーソナリティ障害、不安障害、自閉症への対応』. 3.統合失調症への認知行動療法の効果を調べるため、欧米の効果研究を広く収拾し、どの方法が最も効果的かを調査した。 4.海外で実際におこなわれている認知行動療法を検討するために、分担研究者および研究協力者は、アメリカ認知行動療法促進学会、ヨーロッパ認知行動療法学会、世界心理学会議等に出席し、これらの学会に併設されたワークショップに参加し、ワークショップのノウハウを獲得した。また、欧米の施設を視察し、現揚での認知行動療法の実施について情報を得た。 5.本格的に認知行動療法のワークショップを開ける臨床家を育てるために、東京認知行動療法アカデミーを設立し、本年度は5回のワークショップをおこなった。うち1回は京都の花園大学で開催した。 6.認知行動療法やそれを支える「実証にもとづく臨床心理学」を定着させるために、東京大学出版会より『叢書・実証にもとつく臨床心理学』のシリーズを刊行し、平成20年度は『臨床認知心理学』を刊行した。
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