2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のQOL支援のための認知・行動的要因に関する研究
Project/Area Number |
18330146
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 綾子 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60030045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 啓 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 助手 (70294014)
小林 知博 青山学院女子短期大学, 講師 (70413060)
増本 康平 大阪大学, 人間科学研究科, 助手 (20402985)
荒井 弘和 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 特任研究員 (30419460)
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Keywords | 高齢者 / 認知のずれ / 潜在的自己概念 / 展望的記憶 / 受療行動 / QOL |
Research Abstract |
本年度は、高齢者を対象とした実験研究と調査研究を行った。 1)高齢者を対象とした実験研究 実験的な研究として、次の3つを実施した。(1)高齢者の転倒発生のメカニズムを心理的な側面から明らかにする研究では、水平方向のまたぎ動作に関して、実際にまたげる距離とまたげると思う距離の差が転倒の発生率に影響しているかを検討した。その結果、不適切な身体能力に対する自己評価と転倒経験との間に有意な関連性が認められなかった。(2)高齢者のし忘れの予防を目指した研究では、高齢者のし忘れを減らすには、外的記憶補助の使用が効果的であり、逆に、内的な記憶方略はし忘れの軽減に結びつかないことが示された。(3)高齢者の「健康意識」・「年齢意識」について潜在的・顕在的指標を用いた研究では、これらに対する高齢者の意識的な概念と無意識的な認知に差がみられることが示された。 2)高齢者と一般成人を対象とした調査研究 高齢者と一般成人の受療行動の実態を包括的に検討するために、質問紙による全国調査を実施した。対象者は全国(関東・中部・近畿・四国・九州)の調剤薬局44店舗を利用した一般成人9205名(推定)に調査票を配布した。主な調査内容は、属性・通院の基準となる体温・服薬行動・外来受療行動・病院に対する満足度・病院受診と受診以外の処置・検診/健診受診行動・QOL(SF-8)・抑うつ(CES-D)であった。調査の結果、2027名(回収率22%)から回答を得た。このうち男性644、女性1095名であった。有効な回答についてそれぞれ解析したところ、現在医療機関に通院している人が1830名中1542名(84.3%)、現在通院している医療機関の種類では診療所385名(21.0%)、一般病院936名(51.1%)、総合病院・大学病院275名(15.0%)であった。これら以外の詳細については現在、統計解析を進めている。
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