2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のQOL支援のための認知・行動的要因に関する研究
Project/Area Number |
18330146
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 綾子 Osaka University, 人間科学研究科, 教授 (60030045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 啓 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 助教 (70294014)
小林 知博 青山学院女子短期大学, 講師 (70413060)
増本 康平 島根大学, 法文学部, 講師 (20402985)
荒井 弘和 大阪人間科学大学, 人間科学部, 講師 (30419460)
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Keywords | 高齢者 / 認知のずれ / 潜在的自己概念 / 展望的記憶 / 受療行動 / QOL |
Research Abstract |
本年度は、高齢者を対象とした実験研究と調査研究を行った。 1)高齢者を対象とした実験研究 実験的な研究として、次の3つを実施した。(1)高齢者の転倒発生のメカニズムを心理的な側面から明らかにする研究では、水平方向のまたぎ動作に関して、実際にまたげる距離とまたげると思う距離の差について若者と高齢者の比較検討を行った。その結果、不適切な身体能力に対する自己評価と転倒経験との間には両者の間の差は認められなかったが、決定するまでの時間には有意な差がみられた。(2)展望的記憶の最大の特徴である意図の想起に加齢が及ぼす影響を検討した結果、意図の存在の想起には加齢の影響はみられなかった。(3)高齢者の「健康意識」・「年齢意識」・「自尊心」について潜在的・顕在的指標を用いた研究では、高齢者の健康的行動を促進するのは、顕在的・潜在的な家族や友人との人間関係の良好性や孤独感の低さであることが明らかになった。 2)高齢者と一般成人を対象とした調査研究 高齢者と一般成人の受療行動の実態を包括的に検討するために、9,205名を対象に質問紙による全国調査を実施した。現在は、返送された2029名のデータの解析を進めている。その一部である健診・検診受診行動に関する研究では、トランスセオレティカルモデルを適用して、健診・検診受診行動の変容ステージにおける分布を明らかにし、健診・検診受診行動と健診・検診受診行動に関する意思決定のバランスとの関連を検討した。その結果、対象者の6割が健診・検診を定期的に受診している維持期に属するという実態が明らかになった。来年度は、さらなる解析を進め、学会での研究発表などを行う予定である。
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[Presentation] Relationships between implicit and explicit health attitudes and health-related behavior.2007
Author(s)
Kobayashi, C., Masumoto, K., Tabuchi, M., Arai, R., Hirai, K., Fujita, A.
Organizer
7th Conference of Asian Association of Social Psychology
Place of Presentation
KotaKinabalu, Malaysia.
Year and Date
2007-07-26