2006 Fiscal Year Annual Research Report
視覚認識経路と視覚行動経路の運動情報処理機構の解明
Project/Area Number |
18330153
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩入 諭 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (70226091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 一道 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (90395103)
栗木 一郎 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (80282838)
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Keywords | 運動視 / 運動残効 / 運動検出器 / 視覚 / 心理物理 / 視覚経路 / fMRI / 脳科学 |
Research Abstract |
運動視は、その機能が重要であるばかりではなく,初期視覚の2つの経路,大細胞経路と小細胞経路の前者を特徴づける点でも重要である。これらの2つの経路は,網膜から大脳への中継地点である外側膝状体(LGN)の細胞の特性を基に2分されるが,それぞれ主に大脳視覚野における行動経路と認識経路の2つの経路に情報を伝える。18年度には、運動残効の特性についての心理物理実験に基づき、時間的に低周波、空間的に低周波の選択性をもつ運動検出メカニズム(速い運動検出器)に加えて、時間的に高周波、空間的に高周波の選択性をもつ運動検出メカニズム(遅い運動検出器)の存在を明らかにした。さらにそれぞれの運動検出器と行動への影響を調べるために、眼球運動に対する運動残効を測定し、それが知覚と類似時空間的な性質を持つことを確認した。この類似は、逆方向に運動する2種類の運動刺激に対する順応効果の方向と持続時間に関するものであり、知覚と眼球運動が共通のメカニズムに支配されていることを強く支持する。さらに、これらの速い運動検出器と遅い運動検出器の関連脳内部位を確認するためには、脳活動の計測が必要であり、fMRIの実験の準備も行った。それに伴い、fMRIと心理物理実験で共通に利用できる実験条件として、応答時間を利用する方法を開発した。通常、運動残効は、静止刺激に対する残効時間で測定するが、静止刺激は運動処理の関連部位を強く賦活することはないため、運動刺激を用いた残効の測定が必要である。我々はそのために運動刺激の方向判断に対する応答時間が利用できることを示した。
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Research Products
(15 results)