2006 Fiscal Year Annual Research Report
意思決定における割合錯誤の認知過程の探求:精神物理学のコネクショニズム的な精緻化
Project/Area Number |
18330154
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山岸 侯彦 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 助教授 (70286136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牟田 博光 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 教授 (70090925)
中川 正宣 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 教授 (40155685)
前川 眞一 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 教授 (70190288)
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Keywords | 割合錯誤 / 比率バイアス / 確率判断 / 意思決定 / 選好 |
Research Abstract |
割合錯誤、即ち、言語で表現された不確実性の表現が、様々な割合の問で異なる印象を与える現象が、本会代の研究対象である。初年度においては、その中で比率バイアス、即ち「X分のY」のような確率的情報の評価に於いて、「100X分の100Y」の方が、「X分のY」よりも実現見込みが高く判断される傾向を分析した。 心理実験を行い、被験者には「10分の1」あるいは「100分の9」の確率を当てると、現金千円を支給するギャンブルの二者択一課題を与えた。多くの被験者が、非合理的と承知しつつ「100分の9」を選択した。その選択に続き、Implicit Association Testという潜在概念連合の測定テストを実施し、非合理的に選択した被験者は、無意識において「100分の9」と「利益」を連合させていたことを明らかにした(次頁Yamagishi & Nishimura,2006)。 また、数値ではなく、言語的な表現の場合においても、同様のバイアスが出る予備実験も行った。言語的表現を確率に翻訳する課題では、「表現1」が「表現2」よりも高いと判断された一方で、各々の言語表現で現金が当たる見込みを教示した仮想ギャンブルの選択に於いては、「表現1」の方が好まれる現象を観察した(次頁Honda & Yamagishi,2006、本田・山岸,2006)。 上記に加えて、「代替帰結効果」の説明原理として、割合錯誤の有効性を検討した(次頁Nakamura & Yamagishi,2006)。
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Research Products
(5 results)