2009 Fiscal Year Annual Research Report
意思決定における割合錯誤の認知過程の探求:精神物理学のコネクショニズム的な精緻化
Project/Area Number |
18330154
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山岸 侯彦 Tokyo Institute of Technology, 大学院・社会理工学研究科, 准教授 (70286136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牟田 博光 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (70090925)
中川 正宣 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (40155685)
前川 眞一 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (70190288)
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Keywords | 割合錯誤 / 比率バイアス / 確率判断 / 意思決定 / 選好 |
Research Abstract |
割合錯誤、即ち、数値の組み合わせで表現された不確実性が様々な割合の間で異なる印象を与える現象が、本会代の研究対象である。初年度においては、その中で比率バイアス、即ち「X分のY」のような確率的情報の評価に於いて、「100X分の100Y」の方が、「X分のY」よりも実現見込みが高く判断される傾向を分析した。その成果は、次ページの学会誌投稿論文に掲載した。下記に、個々の査読付き学術論文の要点を述べる。 (1)心理実験を行い、被験者の割合錯誤を伴うリスク知覚の感覚が、リスクの直接経験によってどのように変化するかを分析した(次頁平原・山岸2009)。 (2)また、数値ではなく、言語的な表現の場合においても、同様のバイアスを観察する実験も行った。言語的表現を確率に翻訳する課題では、「表現1」が「表現2」よりも高いと判断された一方で、各々の言語表現で現金が当たる見込みを教示した仮想ギャンブルの選択に於いては、「表現1」の方が好まれる現象を観察した。言語表現と数値確率の対応評定を得て、この現象は割合錯誤現象と同等の論理適否一貫性を持つことを確認した(次頁Honda & Yamagishi, 2009)。 (3)上記に加えて、様々な不確実性の表現を心理尺度構成法によって分類し、従来定性的に指摘された性質を、実証的・計量的に示した(次頁Nakamura & Yamagishi, 2009)。 以上を要するに、(1)~(3)によって、割合錯誤現象が発生する認知過程のメカニズムを、各々「現実場面に即して解明」「言語現象に一般化して解明」「心理尺度構成法によって精緻に記録」するという成果を達成した。
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Research Products
(6 results)