2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のワーキングメモリの訓練とその神経基盤に関する研究
Project/Area Number |
18330156
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
苧阪 満里子 Osaka University of Foreign Studies, 人間科学研究科, 教授 (70144300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苧阪 直行 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20113136)
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Keywords | ワーキングメモリ / 中央実行系 / 訓練 / 高齢者 / 注意 / 抑制制御 / 前頭前野 / 前部帯状回 |
Research Abstract |
本研究は、ワーキングメモリの脆弱化が進む高齢者を対象として、ワーキングメモリの中核をなす中央実行系の機能強化訓練に取り組むことを目的とした。中央実行系は、ワーキングメモリがスムーズに機能する上での統括機能として働き、注意の焦点化と抑制制御が特に重要であると考えられる。 本年度は、ワーキングメモリの注意制御機能をつかさどると考えられる前頭前野の背外側部と前部帯状回に着目して、その機能を高める訓練を計画した。強化訓練の対象は、高齢者としたが、若年者の中央実行系における注意制御機構の神経基盤についても、高齢者と同様に検討を行なった。 本年度は、特に高齢者で問題となる抑制制御に着目した。抑制制御は、言語的な抑制過程が問題になるストルーブ課題を応用して訓練を行なった。訓練の効果は、行動データでは遂行成績の向上と反応時間の短縮化が確認された。特に、侵入エラーが減少するなど、抑制制御が促進していることが推測された。さらに、訓練前と訓練後のfMRIを用いた脳の活動領域の測定から、訓練前には前部帯状回の活動はほとんど認められない状態であったのに対して、訓練後の測定では、背外側部とともに前部帯状回の活動の上昇が認められた。この結果は、訓練により、抑制制御が機能強化されたことを示唆するものと考える。この傾向は、特にワーキングメモリ遂行に困難を示した高齢者に特徴的であった。さらに、高齢者の年齢の違いにより、抑制制御が異なる結果も得られた。この点については、次年度においてさらに検討すべき課題であると考える
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article]2007
Author(s)
M. Osaka & N. Osaka
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Journal Title
Neural bases of focusing attention in working memory: An fMRI study based on individual differences. In Osaka, N., Logie, R. H., & D'Esposito, M. (eds. ) The Cognitive Neuroscience of Working Meory(Oxford University Press)
Pages: 99-117
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