2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゲートキーパーとエンドユーザーによるコミュニケーションに見られる相互行為の解析
Project/Area Number |
18330183
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
三崎 隆 Shinshu University, 教育学部, 准教授 (70360964)
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Keywords | ゲートキーパー / エンドユーザー / 『学び合い』 / コミュニケーション / 相互行為 / 児童・生徒 / 可視化 / 立ち歩き |
Research Abstract |
本研究では,小・中学校現場での学習臨床的な実践研究として,理科授業の探究活動における児童・生徒同士によるコミュニケーション分析から,gatekeeperとなる学習者及びend userとなる学習者の会話の質的な内容を明らかにすることを目的とした。小学校の調査対象は,平成19年6月〜7月にかけて実践された第4学年理科B区分の単元「もののかさと温度」を任意抽出した。一人1台のICレコーダによる録音と,授業者にワイヤレス・マイクロフォンを装着して理科室全体を撮影できるようにしたビデオ・カメラの録画から得られた授業者及び児童の発話及び行動記録の分析の結果から,次の点が明らかになった。・小学校第4学年B区分において,ゲートキーパーの役割を果たす学習者とエンドユーザーの役割となる学習者の間の相互行為による『学び合い』が自然発生する。・授業者によるクラス全体への可視化の行為が,その後のゲートキーパーの役割を果たす児童とエンドユーザーの役割となる児童との間の相互行為を促す。中学校の調査対象は,平成19年8月〜9月にかけて実践された第2学年必修理科第2分野単単元「植物の世界」の小単元「葉のつくりとはたらき」を任意抽出した。授業者にワイヤレス・マイクロフォンを装着して理科室全体を撮影できるようにした1台のビデオ・カメラと一人1台のICレコーダ及び4機のワイヤレス・マイクロフォンを装着したビデオ・カメラ2台による録画から得られた授業者及び生徒の発話及び行動記録の分析の結果から,中学校第1学年第2分野生物的領域において,ゲートキーパーの役割を果たす学習者とエンドユーザーの役割となる学習者の間の相互行為による『学び合い』が自然発生するとともに,情報交換のための立ち歩きによる可視化の行動が自然発生することが明らかになった。
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